マクラーレンの今井エンジニアは、機密情報が多く含まれる撮影不可のスライドを用いながら、ブレーキシステムの進化と、曙ブレーキとのパートナーシップに関して説明。
「2007年よりブレーキシステムの共同開発を開始し、シーズンを重ねるごとに性能の向上を図っています。特に2014年のレギュレーション変更により導入されたBBW(ブレーキ・バイ・ワイヤ)のシステムはマクラーレン側の要求に完璧にマッチしたものが提供され、性能の向上と大幅な軽量化が実現しました。結果的に500グラムの軽量化に成功し、0.015秒相当のゲインを得ることができました」
「レギュレーションの変更にともない、ラップタイムの向上が予想されている2017年はブレーキへの負荷が大幅に増し、現在のものとは大きく異なるブレーキシステムが必要になってくるため、現在も密接に開発を行っています」と説明した。

ブーリエは「密接な技術パートナーシップは、成功につながる重要な要素だと我々は考えている。曙ブレーキのような強力なパートナーとともに開発をするということは、成功への近道であるうえ、その留まることのないブレーキシステムの進化は、F1においてベストのブレーキサプライヤーであると信じている」と曙ブレーキへの厚い信頼を語った。

来シーズンからレギュラードライバーに就任するバンドーンは「レーシングドライバーにとってブレーキは、ラップタイムを削るうえで最も重要なパーツのひとつだ。なので、曙ブレーキのような素晴らしいパートナーと仕事ができることは大きな意味があるよ」とコメント。

最後に、F1ブレーキの開発責任者を務めていた、曙ブレーキ執行役員の根岸氏が「曙ブレーキは日本の企業ですから、日本グランプリには特別な思いがあり、最高の結果を期待しています」と述べた。
F1だけでなく、マクラーレンの市販スーパーカー『P1』にもブレーキシステムを提供する曙ブレーキと、その曙ブレーキに全幅の信頼を寄せるマクラーレンの、10年間の絆を感じる記者会見であった。