■シンガポールでの大健闘

 第13戦ベルギー、第14戦イタリアGPの連勝は、ある意味順当といえた。さらに最大のダウンフォースが要求される第15戦シンガポールGPでも、フェラーリは1−2フィニッシュをやってのけた。その秘密は、ノーズの控えめなアップデートにあった。鼻の内側に設けられた2本のバーがベンチュリー効果による気流の加速を生み、車体前部のダウンフォースを増大させたのだった。

 フロントがようやくしっかり食いつくことでアンダー傾向は改善され、リヤのダウンフォースも回復することができた。フランスGPで結果の出なかったフロアも、シンガポールの改良版は満足すべき性能を発揮した。

開幕戦のメルセデスを100とする上位3チームの戦闘力比較
開幕戦のメルセデスを100とする上位3チームの戦闘力比較

 この時点でのSF90はメルセデス、レッドブルを抜いて、最も戦闘力のあるマシンとなった。その後も第16戦ロシア、第17戦日本、第18戦メキシコGPで、ポールポジションを獲得する。しかしこの3戦はいずれも、メルセデスが勝利した。フェラーリは速さでは優っていても、信頼性と稚拙な戦略で敗れたのである。

■パワーユニット疑惑に揺れた終盤

 完全復活を果たしたかに見えたSF90だったが、シーズン終盤3戦はそれまでの戦闘力を失ってしまう。そしてこの時期は、フェラーリ製パワーユニットへの疑惑が巻き起こったタイミングでもあった。

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