エクレストンは、自分がF1最高権威者だった時代なら、論争がこれほどまでに過熱してしまう事態にはならなかったと断言した。
「時にはこうした火事が起こる場合もあった。そういう時は、私がいわば消防隊長として、火消しにあたらなければならなかった」とエクレストンは認めた。
「それでも私の時代には、各チーム、FIA、そして私自身の間で共通の落としどころを見つけることは常に可能だった。だが今回についてはもう遅すぎる」
FIAは、チームとの間で機密の和解合意に至ることについて、トッド会長が2010年に導入した競技の司法規律の範囲内の行動であると主張する。これは、F1のイメージを守り、あるいは勝者なき法的論争の局面で適用されるものだという。
しかしFIAの最初の声明を受けて、フェラーリ製パワーユニットを使用していない7チームは、本件について「FIAの適正手続きの範囲で、管轄裁判所の面前に法的手段を追求する権利を留保する」とも述べている。
「FIAの行為は、我々が毎年莫大な額の費用を投じているF1そのものの信用を落としかねない」と、マルコは強く主張した。「これ以上容認することはできない」

しかし最近になって、メルセデスが共同声明を発表した他の6チームと袂を分かつことを決めたとの報道も出ている。
『F1-insider.com』は、メルセデスチームの親会社ダイムラーのCEOオラ・ケレニウスが、FCAおよびフェラーリの会長ジョン・エルカーンと会談を行った結果、本件から手を引くことを決めたと報じている。ダイムラーは、これ以上の論争はF1およびダイムラー社のイメージを損なうことになると考えたのかもしれない。
メルセデスがFIAに抗議する7チームのグループから抜ける場合、そのパワーユニットを搭載するレーシングポイントとウイリアムズも行動を共にする可能性がある。もしそうなると、グループに残るのは、レッドブル、アルファタウリ、マクラーレン、ルノーの4チームのみとなってしまう。