レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

F1 ニュース

投稿日: 2020.05.14 13:42
更新日: 2020.05.14 17:09

津川哲夫、川井一仁、浜島裕英の3名が選ぶF1ベストドライバー/F1速報の30年

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


F1 | 津川哲夫、川井一仁、浜島裕英の3名が選ぶF1ベストドライバー/F1速報の30年

──浜島さんは、フェラーリ在籍時代に共闘していたフェルナンド・アロンソを2位に入れていますね。

浜島:彼の運転技量はピカイチで、いろいろな引き出しを持っていたし、タイヤのこともよく分かっていた。ただ、人柄の問題がちょっとあるので、2位にしています(苦笑)。おそらく川井さんも津川さんも彼のすごさは認めているけど、裏の顔も知っているから上位には入れなかったんだと思うんです。

 すぐにしびれを切らして自分でチームをぐちゃぐちゃにした後に、飛び出してしまうから。あと1年我慢していれば、おそらくフェラーリでもチャンピオンを獲れたはずなのに、そこが彼の欠点だと思います。

──津川さんも一緒に戦った経験のあるネルソン・ピケの名前を挙げています。

津川:表向きのネルソンは渋くていじわるで、ブイブイ言わせているような感じだけど、裏側を見ると実はビビっていて、一生懸命虚勢を張っていたんだよね。たとえば、ネルソンは自分が犯した失敗やタイムが出なかったことに対して、頭を抱えてすごく悩んでいた。だけど、次にハンドルを握るときまでには、ちゃんと立ち上がってくる。そういう彼の姿をずっと見てきたから思い入れがあるし、何より昔の豪傑だよね。

フェルナンド・アロンソ
フェルナンド・アロンソ
ネルソン・ピケ
ネルソン・ピケ

──現役王者であるルイス・ハミルトンはいかがでしょうか。

川井:戦績だけを見れば、トップ3に入れなければいけない人物なのかなと。でも、彼のレースで印象に残っているものは、正直あまりないんだよね。特に、メルセデス移籍後はライバルがチームメイトしかいない状況だから。

浜島:レースにはいっぱい勝っているし、チャンピオンも6回獲っていて、運転技量も高い。フロントにあそこまで荷重をかけられるのは、才能だと思います。だけど、環境に恵まれすぎて勝っているから評価が難しい……。

津川:ハミルトンは間違いなく超一流レベル。なのに、ナンバー1という評価にはならないんだよね。彼は2チームでチャンピオンを獲っているけど、マクラーレン時代ははっきり言って“もらった”ものだから。ブラジルGPでトヨタのティモ・グロックがわざわざどいてくれたから、5位に入ってフェリペ・マッサを逆転できたわけです。そしてメルセデス時代には、ニコ・ロズベルグにもやられている。

川井:今のF1は予選こそ一発の速さを競っているけど、レースはマシンもタイヤもいたわることが求められる。それがうまいのがハミルトンなんだよね。

──そもそも強いドライバーとは?

津川:僕が思うに、“殴り合い”で負けないヤツが強いドライバー。本当のげんこつでの殴り合いではなくて、たとえ相手をコース外に飛ばしても、自分は生き残っていないといけない。昔はみんな相手をちゃんとリスペクトした殴り合いをしていた。ネルソンを挙げた最大の理由は、それが巧みだったから。

浜島:今はマシンが安全になりすぎたという側面があって、多少接触しても、怪我をすることがなくなった。

川井:マシンの安全性からくる、“怖さのなくなり”なんだよね。つまり、事故を起こす怖さがなくなったということが問題なんだ。

津川:今は相手がいることも無視して、行けるところまで行ってしまう。それで接触しても、相手が悪いと駄々をこねる。ただ、マックス・フェルスタッペンはそこがだいぶ改善されてきて、ネルソン側の方にきたと思う。でも、シャルル・ルクレールはまだダメなんだ。

川井&浜島:そう思いますね。

ルイス・ハミルトン
ルイス・ハミルトン
マックス・フェルスタッペン
マックス・フェルスタッペン
F1速報の創刊号となった『1990年メキシコGP号』を持つ津川哲夫氏(左)、川井一仁氏(中央)、浜島裕英氏(右)
F1速報の創刊号となった『1990年メキシコGP号』を持つ津川哲夫氏(左)、川井一仁氏(中央)、浜島裕英氏(右)

***********

 この後も3人の結論として、ベストドライバーは誰かという結論やベストマシン、ベストレースを論じていくのだが、それはまた立ち読みでもいいのでぜひ誌面でご確認を。『F1速報の30年』では、こういったスペシャル対談の他、本誌執筆陣によるF1速報から見た歴代ドライバーやシーンの再分析、本誌の成り立ちなど、“日本のファンが体験してきたF1の30年”を独自の視点から振り返った1冊となっている。

『F1速報の30年』は全国書店やインターネット通販サイトで発売中。内容の詳細や三栄オンラインでの購入はこちら(https://www.sun-a.com/magazine/detail.php?pid=11369)まで。

F1速報創刊30周年記念編集号『F1速報の30年』の詳細と購入はこちらまで


関連のニュース