ブラッド・ホリンガーとは、医療関係の事業が専門のアメリカ人で、ニック・ローズ、エディ・チャールトンに続いて、3人目のノン・エグゼクティブ・ディレクターとしてウイリアムズに加入。2015年にはトト・ウォルフが最後まで保有していたウイリアムズの株式5%を買い取り、持ち株比率を15%としてウイリアムズの第2位株主となった人物である。
するとクレアは、最初の質問に対しては、「いいえ、ほかに株式を持っている者はいません。ドリルトン・キャピタルはウイリアムズの持ち株をすべて購入したので、彼らが100%の所有者です」とキッパリと言い切ったものの、ふたつ目の「ドリルトン・キャピタルの背後にいるのは誰か?」という質問には、「申し訳ありませんが、2番目の質問についてコメントすることはできません」と口をつぐんだ。
それが、メディアの間でさまざまな憶測を生むこととなる。というのも、ドリルトン・キャピタルとウイリアムズは、『BCE』と呼ばれる投資会社を通じて取引を行っていたからだ。これは、偶然にもバーニー・エクレストンの正式名である『バーナード・チャールズ・エクレストン』の頭文字だ。ドリルトン・キャピタルの背後にいるのはバーニーなのだろうか?
するとクレアは笑って「その記事は私も見ました」と言い、こう続けた。
「それで先週の初めにエクレストン氏に、『背後にいるのはあなたなの?』と尋ねました……というのは冗談ですが、バーニーは私たちの新しいオーナーとは何の関係もありません。ドリルトン・キャピタルは完全に独立した会社です。バーニーはウイリアムズの新しいオーナーではありません」
「オーナーは変わりましたが、私はここにいますし、自分の役職である副チーム代表の仕事を続けます。そして、私の父はまだチームの代表のままです。それ以上のことは、いまはお話しできません」
いったい、ドリルトン・キャピタルとは何者なのか。その背後にいるのは、だれなのか。ちなみにウイリアムズの本拠地であるグローブのファクトリーもそのままで、移転の計画はない。