撤退表明後初めてのレースとなった第11戦アイフェルGPで、ホンダは2位表彰台と6位入賞を獲得した。「レース現場は、何も変わらない。今までと同様、1戦1戦全力で戦っていくだけ」と言っていたホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターにとっては、優勝こそ叶わなかったものの満足すべき結果だったと言える。
一方でルイス・ハミルトン(メルセデス)がミハエル・シューマッハーに並ぶ最多勝利記録を成し遂げたことについては、「素晴らしいドライバーとしか、言いようがない」と称賛しつつも、「(その勝利数が)これ以上伸びないよう、戦いに挑んでいきたい」と、闘志をむき出しにしていた。
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──マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が2位表彰台、ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)が6位という結果でした。
田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):フェルスタッペンは予選でメルセデスに1-2を取られ、レースも1台のリタイアで2位ということでしたが、着実な結果を出せたと思います。
ガスリーは中団勢が本当に僅差の戦いを繰り広げるなか、いい形でレースができた。走り自体も、実に力強いものでした。この結果は今後の後半戦6レースに向けて、我々やチームにとって大きな励みになると思います。
──アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)はリタイアに終わりました。
田辺TD:飛び石だと思います。クーラーがダメージを受けて水漏れが起きたため、パワーユニット(PU)が影響を受ける前に止めさせました。
──結果的に2日間のレース週末になりましたが、出来具合は?
田辺TD:1時間のフリー走行のみでの、予選、レース。エンジン同一モードが導入されてから、予選はこう、レースはこうと使い分けられなくなった。その意味ではさらに厳しい条件でしたが、これまで蓄積したノウハウを活かしていい形で仕上げられ、レースも順調に戦えたと思っています。非常に寒いコンディションでしたが、それにもうまく対応できました。