事件はサーキットの外でも起きている。もちろん、サーキットの中で起きているのは言うまでもない。水面下で蠢くチーム、ドライバー、グランプリにまつわる未確認情報を『F1速報』から依頼を受けた調査員が独自に調査。送られてきた報告書を公開する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
名称変更されたアルピーヌF1チームに、ダビデ・ブリビオがレーシングディレクターとして加入するという発表が、ようやく行われた。しかし、日曜日の朝という異例のタイミングで出された短い文章からは、今回の契約に関する不明瞭な事実関係をただすべく、多くのメディアから寄せられていた質問への対応を行うという意味合いが強く感じられ、すべてを明らかにするために準備されたとはいえない内容だった。
「彼の具体的な役割と責任領域については今後数週間のうちに発表する」という文を読めば、この声明が憶測の広がりを止めるためだけに出されたものであり、現在チーム内では明らかにしたくないさまざまな動きが起きていることを如実に示している。
チーム内の情報筋によれば、ブリビオはチームを完全に統制できるだけの権限を望んでいるという。彼がアルピーヌのCEO直属となる事実を考慮すれば、今後はチームのエグゼクティブディレクターでエンストンのファクトリー運営責任者でもあるマルチン・ブコウスキーを通さずに指揮をとれる可能性もある。
したがって、4年以上前にフレデリック・バスールがシリル・アビテブールに敗れたのと同様の権力争いに、今のところはブリビオが勝利したともいえる。グループ・ルノーのCEOであるルカ・デメオの全面的な支援を得て、今後彼は更なる権限強化とチームの全面的な組織改革に向けた動きを続けるだろう。詳細な内容の声明はその後、おそらく2月第1週に発表されるものとみられる。
■厳しい状況のモナコGP
F1モナコGPの主催者が、1月18日月曜日に、モナコ・ヒストリック・グランプリ、モナコE-Prix、フォーミュラワン・グランプリについて、それぞれ計画どおり今年の春後半に実施するという声明を出した。しかし、F1を行ううえで、モナコは安心とはほど遠い状況にある……
■レッドブルとハイテックGPが若手育成で提携
レッドブル・レーシングは、ジュニア・チームに所属する若手ドライバーの多くについて、ニキータ・マゼピンの父親であるドミトリーが保有するハイテックGPで走らせると決めた……