29周目のリカルドを皮切りに、ミディアム勢のピットインが始まった。20周目にハミルトンにかわされ3番手に後退したノリスを、4番手ボッタスが激しく追う。
ムスコーニ:現状を説明するぞ。リカルドまで23秒あるので、フリーストップに問題ない。ノリスは5秒ペナルティだから、だめだ。
今年のレッドブルリンクでのピットタイムロスは、約21秒だった。ノリスは5秒余分に静止しないといけないので、順位をあげられるぞとムスコーニはボッタスに伝えたわけだ。
ムスコーニ:ボックス、ボックス! ノリスに続け。できなかったらステイアウトだ
30周目に2台は同時にピットインし、ボッタスは悠々と3番手でコース復帰した。首位争いはフェルスタッペンが独走状態で、31周目にハミルトン、32周目にフェルスタッペンがピットイン後も、その状況は変わらない。
ボノ:フェルスタッペンはハードで、13秒前だ
ハミルトン:離れすぎている
ボノ:ああ。ギャップを築いてる。ここからはノリスとレースだ
この時点でハミルトン陣営は完全に優勝をあきらめ、2位確定に集中しようとした。このまま走りきれば、それは十分に可能なはずだった。ところが……。
ボノ:左リヤにダメージがある。空力に問題だ
ハミルトン:リヤが全然効かない
ムスコーニ:ターン10の出口で縁石に乗るな。ルイスがフロアにダメージを受けている
縁石に乗った際にフロアにダメージに受けたようで、ハミルトンのペースが落ち始めていた。
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(2)に続く
