「成長したものだ」と私は喜んだが、土曜のショートレース(ばかなイベントだ)を見た時、彼が闘志を失ってしまったのではないかと、心配になった。裕毅はスタートでキミ・ライコネンとニコラス・ラティフィの後ろに下がり、後にラティフィを抜いたものの、それでもアルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィの後ろで16位という結果だったのだ。

 7位から17位まではDRSトレイン状態でつながって走っていたため、追い越しは簡単ではなかったのは確かだ。順位を上げていけたのは、周囲とのマシンパフォーマンス差が圧倒的に大きい場合、たとえば、フェラーリのカルロス・サインツなどに限られた。サインツはジョージ・ラッセルと当たって順位を落とした後、ある程度挽回することができた。

2021年F1第10戦イギリスGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

 日曜決勝で、角田はベテランのような走りをしたのでほっとした。1周目を何の波乱もなく終えて、タイヤを30周持たせて走った。今回の第1スティントで最長の距離だ。その後、前のグループに追いつき、ライコネンのスピン、ガスリーのパンク、セルジオ・ペレスの犠牲的行為のおかげで、1点をつかんだ。まぁいいではないか。皆が譲ってくれたのだから、遠慮なくもらっておけ!

 フランツ・トストが角田に何を飲ませているのか知らないが、シルバーストンでの角田は非常に冷静なドライバーだった。今後必要となってくるのは、ミスをすることなく、火花を散らし、闘志を燃やし、アタックモードを維持することだ。ゴリ押しするつもりはないが、念のため付け加えておくと、私は、そのやり方をすぐさま格安で教授できる男を知っている。

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筆者エディ・エディントンについて
 エディ・エディントン(仮名)は、ドライバーからチームオーナーに転向、その後、ドライバーマネージメント業務(他チームに押し込んでライバルからも手数料を取ることもしばしばあり)、テレビコメンテーター、スポンサーシップ業務、講演活動など、ありとあらゆる仕事に携わった。そのため彼はパドックにいる全員を知っており、パドックで働く人々もエディのことを知っている。

 ただ、互いの認識は大きく異なっている。エディは、過去に会ったことがある誰かが成功を収めれば、それがすれ違った程度の人間であっても、その成功は自分のおかげであると思っている。皆が自分に大きな恩義があるというわけだ。だが人々はそんな風には考えてはいない。彼らのなかでエディは、昔貸した金をいまだに返さない男として記憶されているのだ。

 しかしどういうわけか、エディを心から憎んでいる者はいない。態度が大きく、何か言った次の瞬間には反対のことを言う。とんでもない噂を広めたと思えば、自分が発信源であることを忘れて、すぐさまそれを全否定するような人間なのだが。

 ある意味、彼は現代F1に向けて過去から放たれた爆風であり、1980年代、1990年代に引き戻すような存在だ。借金で借金を返し、契約はそれが書かれた紙ほどの価値もなく、値打ちのある握手はバーニーの握手だけ、そういう時代を生きた男なのである。

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