■5位 フェルナンド・アロンソ
マシンの能力不足に足を引っ張られながら、見事に戦った
(マクラーレン・ホンダ 最高位5位 ランキング10位)
アロンソは2015年には自分はあまりいい走りをすることはできなかったと述べていた。マクラーレン・ホンダのパフォーマンスと信頼性があまりにもひどかったため、ドライバーとして最高レベルのパフォーマンスを発揮するモチベーションをなかなか見つけられなかったのだ。しかしアロンソは不完全な状態であっても、余裕でベスト10ドライバーに選出されるだけの働きをした。
2016年はマシンが改善したため、それによってアロンソのパフォーマンスもさらに改善し、20戦のなかで予選Q3に8回進出した。予選ではチームメイトのバトンに圧勝し(2015年は僅差だった)、バトンの倍以上のポイントを稼ぎ、ドライバーズ選手権で10位を獲得した。ワールドチャンピオンであるバトンを相手に圧倒的に優勢だったのだ。

モナコでは難しいコンディションのなか、マシンもうまく機能しない状況で、5位という素晴らしい結果を出した。ベルギーとマレーシアでは最後方から追い上げてトップ7に入っている。
何度か(ドイツとモンツァ)、マクラーレン・ホンダへの不満を表に出してしまう場面もあったが、公正を期して言うならば、今のマシンとエンジンのパッケージで走ることは、現役ドライバーの中で最も優れたドライバーのひとりにとっては才能の無駄づかいと言うほかない。
今のF1は速くなく、重要なのはタイヤをセーブすることだと、現レギュレーションへの不満を公言してはばからないアロンソだが、2017年の規則変更でF1は彼が喜ぶ方向に変わるだろう。
マクラーレン・ホンダが彼の能力にふさわしいマシンを作りさえすれば、アロンソは35歳の今もなお、トップクラスのドライバーたちと余裕で戦える力を持っているはずだ。