「15年から16年にかけてターボなどの一部のパーツは大きくなったものもありますが、パッケージ全体のボリュームで比較すると16年のほうが、さらにコンパクトになっています。さらに17年のパワーユニットは、その16年のものよりはるかにコンパクトになっています」
これはサイズゼロのコンセプトを継続するということなのか。
「そもそもパワーユニットをコンパクトにするという発想は、マクラーレンに言われたからではなく、ホンダにもありました。エンジンのパフォーマンスを最大限に生かした上で、できる限りコンパクトなエンジンを作ろうというのが我々のスタンスです」と長谷川総責任者は語る。
もうひとつ17年のパワーユニットで気になるのは、ホンダだけが採用していないTJI(タービュラントジェットイグニション)を投入するのかだ。この件に関して、長谷川総責任者は「あらゆる可能性をトライしている」と言うにとどまったが、「ライバルと同じことをやっても、追いつくことはできても追い越せない」と興味深い発言もしている。
長谷川総責任者は17年のエンジンは「すでにエンジンはベンチで相当回っていますが、問題もかなり出ています」とも語っている。それだけ、17年のホンダRA617Hはチャレンジングな設計となっているのではないか。それは、長谷川総責任者のこんな言葉にも表れている。
「17年に優勝できればいいですが、まずは表彰台に絡みたい。これは現実的な目標というより、狙わなければならないポジションです。でも、まだそこまでのレベルには達していない」
参戦するだけで精一杯だった15年。ようやくライバルたちと戦える位置でスタートを切った16年。果たして17年はどんな一年がホンダを待っているのだろうか。