■アストンマーティン
セバスチャン・ベッテル:評価 1/10
予選17番手/決勝リタイア

新型コロナウイルス感染症で最初の2戦を欠場、オーストラリアがベッテルにとってシーズン初戦となった。出だしは好調で、FP1では13番手でチームメイトのストロールより速いタイムを記録。しかしセッション終了まで約15分のところでエンジントラブルが発生し、そこからネガティブな流れに傾いて行った。
パワーユニット交換が間に合わず、FP2は走れず、FP3では最初のフライングラップで大クラッシュを喫した。メカニックたちは予選に間に合わせようと懸命にマシンの準備に取り組み、赤旗のおかげでセッション終了が13分延期になったことで、なんとかベッテルをコースに送り出すことに成功した。
計測ラップ1周のみしか走れなかったベッテルは、まずまずのタイムで18番手を獲得。しかしレースでは10周目にスピンをし、22周目には大クラッシュ。4度チャンピオンに輝いたドライバーにはふさわしくないレースだった。
ランス・ストロール:評価 3/10
予選ノータイム/決勝12位

アストンマーティンAMR22についての知識を誰よりも持ち合わせているはずのストロールだが、週末を通してまるで良いところがなかった。FP1ではベッテルより遅く、FP2は14番手とまずまずだったが、FP3終盤に不必要なミスを犯し、ベッテルのマシンの修理で忙しいチームにさらに負担をかけた。さらに予選Q1終盤には、お互いスローラップだったときにニコラス・ラティフィと接触。悪いのは完全にストロールの方だった。
レースではセーフティカーのタイミングがプラスに働いたものの、彼をオーバーテイクしようとするすべての相手に対して危険なドライビングを繰り返した。ひとつしかペナルティを受けなかったのはラッキーだったといえるが、本人は納得していない。このままでは出場停止のペナルティを受ける可能性が高いので、自分自身を見つめ直して、努力する必要がある。
■ウイリアムズ
アレクサンダー・アルボン:評価 9/10
予選失格/決勝10位

10チーム中最も遅いチームでありながら、自分より速いマシンに乗るドライバーたちを7人倒して1ポイントをつかんだというのは称賛に値する。
予選ではあと一歩でQ2に進出というところまでいったが、その時走った素晴らしいラップは、サンプル用の燃料不足が発覚し、取り消された。失格となったアルボンは、前戦のペナルティでの3グリッド降格を消化したうえで、レースを最後尾からスタートすることになった。
決勝ではニコラス・ラティフィ、ストロール、ベッテルをパスし、最後の最後までタイヤ交換をせずにハードタイヤで走り続け、アロンソとマグヌッセンがピットインし、フェルスタッペンがリタイアした段階で7番手に浮上。オコンの前を走り続けたアルボンは、その後ろのストロールがしばらく後続を抑えていたこともあり、残り1周でソフトタイヤに交換した後、トップ10圏内でコースに戻ることができた。見事な走りを見せてくれた。
ニコラス・ラティフィ:評価 4/10
予選18番手/決勝16位

週末を通してアルボンに匹敵するラップタイムを出せなかった。予選Q1ではストロールの愚かなミスの犠牲になったが、それがなくてもQ2進出は無理だっただろう。
ピットストップ後に最後尾に落ち、その位置を単独で走り続けた。終盤アロンソがピットストップをしたため、ラティフィは16番手に繰り上がった。
■アルファロメオ
バルテリ・ボッタス:評価 7/10
予選12番手/決勝8位

103戦にわたり予選Q3に進出するという素晴らしい記録がここで途切れることとなった。ボッタスはレースを重視し、1ラップペースをある程度犠牲にするセットアップを選んだためだ。
スタートで角田に抜かれるが16周目にポジションを取り戻すと、すぐさまガスリーに追いつき、タイヤ交換の時期を経て前に出ることに成功した。セーフティカーのタイミングが影響して12番手に落ちて、ストロールと戦うことに。何度かストロールに弾かれそうになりながら、最終的に前に出て、ガスリーを再び抜いて8位に上がった。終盤、前が開けた状態でのペースはよく、オコンとのギャップをどんどん縮めた。ストロールの後ろで時間を失っていなければ、オコンより前でフィニッシュできただろう。
周冠宇:評価 7/10
予選14番手/決勝11位

初めて挑むコースだったため、慎重なアプローチを取った。週末のなかで経験あるドライバーたちがウォールにクラッシュするなか、周は一度もそういうミスを犯さなかった。
予選ではQ3進出を争う速さはなく、14番手に。決勝スタートでミック・シューマッハーに抜かれてひとつポジションを落とした。ハース2台の間を走り続けた後、セーフティカー出動の少し前にピットインしたことで後退し、リスタート時には17番手だった。
だがタイヤをうまく管理して走り、角田とハースのふたりの前に出て、最後にストロールをパスしたが、2.3秒の差で10位を取り逃した。
■ハース
ケビン・マグヌッセン:評価 5/10
予選16番手/決勝14位

メルボルン到着時から体調が悪く、週末を通して最高の状態には戻れなかったようだ。チームが基本のセットアップを誤り、修正が間に合わず、最終セクターで大量に時間をロスしており、予選Q1で敗退した。
決勝をハードタイヤでスタート、ミディアム勢全員がピットストップを行った段階で7番手に浮上。しかしマクラーレン2台を抑えきることができず、抜かれた後にタイヤ交換に入った。中団で激しく戦ったが、単純にスピードが足りず、14位どまりとなった。
ミック・シューマッハー:評価 6/10
予選15番手/決勝13位

今シーズンここまででベストな週末だった。予選でQ2に進出、15番手ながらもマグヌッセンより前の位置だった。
ハースはベースのセットアップを誤っていたため、週末を通して、遅れを取り戻すことに集中するしかなかった。状況を考えれば、Q2に進んだシューマッハーはよくやったといえるだろう。
レースで素晴らしいスタートを決めて、13番手に上昇。しかしタイヤをあっという間に使い切ってしまい、リスタートの時点で16番手だった。角田、マグヌッセン、アロンソ、周を相手にいいバトルをし、何人かには勝ち、何人かには負けて、最終的に13位でフィニッシュした。
