■ルノーは絶好の条件を備えたまれなチーム

 原因が何であれ、ヒュルケンベルグはトップチーム加入候補者としてのランクを下げることとなった。29歳の時点で、熟練ドライバーとしての地位が危ぶまれていた。117回グランプリにエントリーし、最高位は4位が3回。2017年シーズンにはエイドリアン・スーティルの128戦に渡る「連続無表彰台」記録を破ってしまう可能性がある。

 しかし幸運なことに、2017年に加入するルノーは、今はパフォーマンスが乏しいが、とてつもないポテンシャルを持つという、まれなチームだ。もし今、ルノーがトップ争いをしている状況であれば、ヒュルケンベルグとは契約せず、優勝経験者にオファーを持ちかけていたはずだ。けれども実際はルノーは後方に沈んでいて、定評のあるドライバーを必要としている。それは、今も貢献できる能力を多く持つ者にとって良い条件となる。様々なシチュエーションが組み合わさることによって、これまではチャンスのなかったグリッド前方という、夢にまで見た位置にたどり着くことができるかもしれない。

■ルノーから求められるもの

 実現できるか否かは別として、ルノーのヒュルケンベルグに対する評価が、3年から4年以内での優勝を目的としたものだと仮定しよう。この場合、ヒュルケンベルグに求められるものは非常に明確だ。まず、おそらく困難になるであろう2017年シーズンをともに過ごしながらグリッド順位を徐々に上げ、すべてのチャンスを最大限に生かし切り、彼こそがチームを約束の地へと導くドライバーであると証明する。つまり彼にはさらなる力があり、週末をスタートするには力不足であろうマシンから最大限を引き出す意思と、能力があることを見せつける必要があるのだ。

 また彼はチームと周囲の人間を活気づけ、自身を「主役」に仕立て上げられることも実証しなければならない。ライバルチームのトップには、この面を不安視する者もおり、ヒュルケンベルグにとっては間違いなく大きな挑戦となるだろう。これまでの数シーズンから見ると、難しい課題になりそうだ。

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