ウイリアムズは新しいショートノーズとフロントウイングをバーレーンGPに持ち込んだ。新ノーズは従来型(写真の下側)と比較すると、ステー部分に後退角がつき、フラップとの接合面積も抑えられている。これによりノーズ先端が50mmほど後方に下がり(赤色のライン)、車載カメラの位置も後方に下げられた。フロントウイングに当たる風の量を増やすとともに、ノーズ下の開口部が斜めとなって面積も広がった。

 フロントウイングはメインフラップが大きく変更されている。これまでウイリアムズのメインフラップ下面は水平に近いデザインだったが、新しいフラップはレギュレーションで定められている中央部分の他に段差を設けるなど、フラップの下を流れる空気の整流を工夫している(水色の矢印)。また、これまでメインフラップのスリットは縦に1本だけだったが、新フラップには2本のスリットが入っており、空気の流速を上げて、ダウンフォースを増加させる狙いがあると考えられる。

ウイリアムズFW38

 しかし、バーレーンで新パーツが登場したのは土曜日のフリー走行から。しかもフェリペ・マッサのみに用意されたため、予選とレースに向けて万全のセットアップを施すことはできなかったようだ。

「フリー走行3回目から新ウイングを試したけど、マシンのバランスが完全じゃなかったから、予選で使うかどうか、かなり悩んだ。今後のことを考えて結局使うことにしたんだけど、このフロントウイングを理解して、力を引き出すには、もう少し時間が必要だと思う」と、マッサは語っている。実際、バーレーンの予選では従来型ノーズとフロントウイングのバルテリ・ボッタスを上回ることはできず、レースではミディアムタイヤのペースに苦しんだこともあり、ハースやトロロッソの後塵を拝した。

 新型ショートノーズの投入は当初から予定されており、2016年マシン「FW38」は完成形に近づいている。バーレーンGPでマッサが得た走行データを分析し、中国GPまでに的確なセットアップを見つけることができれば、まだまだ浮上のチャンスは残っているかもしれない。

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