中上貴晶は今季初ポールポジションを獲得。決勝ではホールショットを奪い10周までトップを快走。大会開幕前の会見ではMotoGPクラスのトップライダーたちと肩を並べた。中上にとって、グランプリにデビューしてからこんなに忙しい一日はなかったという木曜日。そして、予選、決勝と多くの取材陣に囲まれた。念願の日本GPでの初優勝は果たせずも、これからを期待させる大会となった。
2016年の日本GPは、ペドロサの代役として急きょ、土曜日のフリー走行から出場することになり15位でフィニッシュした青山博一。今年は大会前に怪我をしたジャック・ミラーの代役として2年連続の日本GP出場となった。日本人最多出場記録更新中の青山博一は、これで175戦出場と、また記録を伸ばすることになった。
マシンは、普段テストで使用しているマシンのパーツを移植するなど青山博一スペシャルに近づけたが、連日のウエットにやや苦戦。本来、ウエットは得意なのだが、ミシュランのレインタイヤで走った経験がほとんどなく、決勝も18位ノーポイントと残念な結果に終わった。
シーズンを通して苦手とするサーキットのひとつでもあるツインリンクもてぎで優勝争いを演じたマルケス。ウエットコンディションのフリー走行、予選ではライバルを圧倒したが、決勝ではもてぎを得意とするドビジオーゾの後塵を拝した。ホンダ陣営も『ここは2位で良し』という作戦だったので、16点差が11点差に縮まっても冷静に受け止めていた。
今大会、マルケスが周囲を驚かせたのは予選での出来事。1回目のアタックを終えて、2本目の新品レインでアタックするのかと思いきや、なんと、スリックでコースイン。決勝が“フラッグtoフラッグ”になったときのスリックタイヤの感触を試すためだったのだろうが、ほとんど濡れているコースをスリックで走り、ベストより2秒落ちで走ったことに周囲をビックリ仰天させていた。