ステージ2前のピット作業で首位に立ったハムリンは、ステージ2は一度も首位の座を譲ることなくトップでチェッカー。更に10ポイントを加え、プレーオフ最終ラウンド進出へ向けポイント差を広げることとなった。
ステージ2はケンゼスが2位、エリック・ジョーンズが3位、トゥルーエクス・Jr.が4位、カイル・ブッシュが5位とトヨタ・カムリ勢がトップ5を独占。ステージ3の前半戦も首位を守るハムリンを先頭に、トヨタ・カムリ勢が上位を占めて周回を重ねた。
ステージ3でもハムリンの快進撃は続き、一時は2位のケンゼスに対して2秒以上の大差で独走。プレーオフ最終戦は選出される4人のうち、ハムリンを含めた3人のトヨタドライバー達がタイトルを争うことになるかと思われた。
しかし、266周目にハムリンはサイド・バイ・サイドのバトルで接触した際に車体にダメージを受けると、その影響でタイヤがバーストし、壁にクラッシュ。この日レースの3分の2近い193周にわたって首位を走行したハムリンだったが、残り40周あまりでレースを終えることとなり、プレーオフ最終ラウンド進出の夢も潰えることとなってしまった。
このハムリンのクラッシュにより出されたイエローコーションから、残り31周での再スタートが切られると、ケンゼスが首位浮上。激しい首位争いの末に、残り10周で首位を奪い返してトップチェッカー。
2003年にシリーズタイトルを獲得し、トヨタに移籍した2013年には自身最多の7勝を挙げランキング2位となったケンゼスが今季初勝利。今季限りでフル参戦から引退することを表明している45歳のレジェンドドライバーが、シーズン残り2戦での劇的な勝利を飾った。
トゥルーエクス・Jr.は3位、エリック・ジョーンズが4位、カイル・ブッシュが7位に入り、トヨタ・カムリは4台がトップ10フィニッシュ。既にファイナルラウンド進出を決めているトゥルーエクス・Jr.とカイル・ブッシュがタイトル争いに挑む。
ここまでのプレーオフでは、レギュラーシーズンでのプレーオフポイントや勝利などが反映されてきたが、最終ラウンドは進出した4人全員が5000ポイントにリセットされ、その中で最上位フィニッシュを果たしたドライバーがチャンピオンとなる。
いよいよタイトルが決定されるシーズン最終戦、次戦第36戦は11月19日(日)、米国南東部フロリダ州ホームステッドのホームステッド・マイアミ・スピードウェイで行われる。
ドライバー マット・ケンゼス
「ありがとうという以外に言葉が見つからない。次戦が恐らく最後のレースになるだろう私にとって、これ以上望めないほど最高の週末になった。終盤のチェイス(エリオット)とのバトルは凄かった。トヨタや各スポンサー、支えてくれた全てのパートナーに感謝する」
「このチームと、20号車と共に過ごしたこの5年間は最高の日々だった。初めてレースを戦った日から、今までずっと素晴らしい旅をしてこられた。最後のレースとなる来週が楽しみだ」