■決勝レース

 1月12日、いよいよ決勝レースの日を迎えた。午後2時からのスタートに備え、荒がステアリングを握りグリッドへ。スターティンググリッドでも、オール日本人体制のD’station Racingの注目度は高く、ヨーロッパからレース観戦に訪れたファンや現地在住の日本人がしばしばD’station Porscheの前で足を止めた。 ドバイらしい暑さのなか、荒のドライブでスタートしたD’station Porscheだが、やはり2日目までのセットアップ不足が響き、A6-PROクラスの最後尾付近を走行することになってしまう。しかし24時間は長い。

 ただ、荒のファーストスティントの終わりかけに最初のアクシデントが起きる。リヤタイヤがバーストしてしまったのだ。ただ、そこは経験豊富な荒。しっかりとピットに戻し、星野にステアリングを託す。幸いマシンにダメージはなく、星野は自身のファーストスティントに挑んでいった。

 先述のとおり、このレースは非常に台数が多く、かつアマチュアドライバーも多い。接触を避けるのは至難の業だが、星野は安定したペースでラップを重ねていく……どころか、かなりいいペースだ。ピットで見守る佐々木総監督も「大丈夫か?」と心配するほど。しかし星野は、自らのスティントをきっちりと走りきってみせた。最後は荒と同様、リヤタイヤのバーストに見舞われたが、冷静にマシンを戻し、近藤に繋いだ。レースキャリアの浅さをまったく感じさせなかった星野の奮闘に、チームの士気は一気に上がっていく。

 初めての海外での耐久レースであり、レース前には「緊張します」と語っていた近藤も、夕暮れで難しい自らの最初のスティントをきっちりこなすと、ついにレースは夜間走行を迎えた。ここで登場したのが藤井だ。レースウイーク中、ほとんどステアリングを握っていなかった藤井だが、ドバイ、そして海外の耐久レースを熟知し、ポルシェの操り方を良く知るだけに、少しずつペースを上げていくと、セットアップ不足を感じさせない、トップグループと互角のペースで周回を重ねはじめた。

 すっかりと夜のとばりが降りた後も、レースは続く。このレースはドライバーの格付けで最大の走行時間が定められており、ゴールドドライバーの荒と藤井は走行時間に制限があるため、D’station Racingは夜間のうちに走行時間に縛りのない近藤をメインとしてラップを刻んでいく。近藤も走り出しは慣れない部分もあったが、ジワジワとペースを上げ、その間を荒と藤井がきっちりとつなぐ。上位を上回るような素晴らしい速さをみせる藤井のスティントでは、少しずつポジションも上がっていった。

ドバイ24時間を戦うD’station Porsche
D’station Porsche
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