■勝負のカギはガソリンスタンドにあり?

 ドバイ24時間で非常にユニークなのは、給油だ。通常のレースであれば、ピット前に給油タワーが設けられ、クイックチャージをマシンに差し込み給油するのが普通。ニュルブルクリンク24時間等でも、ピットロードで給油できる。

 しかしこのレースの場合、給油は全車すべてがピットロード出口付近に設けられた『ガソリンスタンド』で行わなければならない。レース中、給油を行いたいマシンは、ピットアウト時に直角に曲がり、ガソリンスタンドに進入する。ほぼ全チームの給油マン(2名)がスタンド前で待ち受け、10カ所あるスタンドのうち、給油に使う場所をドライバーに示す。停止したら給油を行うのだが、クイックチャージではないので、時間はかなりかかる。

 10カ所スタンドがあるとはいえ、台数は90台近い。そのため、コード60(コース上の車両が時速60km/hで走行するフルコースイエローに近い状態)が起きるとスタンドには多数のマシンが殺到。ガソリンスタンドには“給油待ち”の列ができあがる。当然これはロスタイムになるので、給油のタイミングが勝敗を左右すると言えた。

 スタンド自体は現地の石油会社であるエマラット社の看板があり、ゴミ箱まで用意されており、一見街中のスタンドのよう。そこにズラリとレーシングカーが並び、ジッと給油を行っている様子は、ある意味非常にシュールだった。

給油を終えたマシンは矢印に沿ってピットアウトしていく。
給油するポルシェ勢。ポルシェは給油口がセンターにあり、若干有利な面があった。
スタンドはホースが長いので左右はあまり問わない。ゴミ箱もなぜか常設。「ゴミ捨てといてください」というシーンはさすがに無かった。
スタンドはディーゼル、ガソリンの給油が可能。
左側がピット。ピットレーンを進んだ車両は右折しスタンドへ。給油を終えると右のレーンからピットアウトする。
各チームの給油マンは、キャンピングチェアを持ち込み自チームのピットインに備える。
ドバイ24時間のレース中のガソリンスタンド。GT3カーがズラリと給油中。
給油中のメルセデスAMG GT3とアウディR8 LMS GT4。

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