その背後ではフィアットのウェルナーとシボレーのレイバーがコース半周にわたってサイド・バイ・サイドのバトルを展開すると、シケインをカットしたレイバーが背後にいたポイントリーダー、ペーニャのルノーに接触し、フルーエンスGTは堪えきれずにスピン。このアクシデントに対し、レイバーにはすぐさまドライブスルー・ペナルティが宣告される。

 選手権首位のチームメイトが最後尾近くまで転落したことで3番手に浮上したミラは、ウェルナーのフィアットもかわして2番手に浮上。前を行くレイバーはペナルティ消化のためピットへ戻ることが確定的なため、実質のレースリーダーに浮上する。

 しかし、その後も2周にわたってコース上に留まったレイバーは、そのままミラとの首位バトルを展開。これに対しレースコントロールは黒旗を掲示し失格処分を言い渡すと、その翌ラップにピットロードへと向かったレイバーは、なんと最後にミラのマシンと軽いコンタクトを見せる悪態で、レースを去ることに。

 8周目にはミラが隊列を引っ張り、2番手にウェルナー。その背後には、予選Q1の失態から挽回を見せる、トヨタ・カローラ勢のマティアス・ロッシとジュリアン・サンテロが上がってくる。とくにロッシはポールポジションの3ポイントを手にしていたら、その時点でポイントリーダーの可能性もあっただけに、レースでは軽いマシンも利して怒涛の追い上げを披露。

 14周目にはカローラの2台ともに2番手のウェルナーを仕留めて、トヨタが表彰台圏内に浮上する。この2台のうち、レース後半に入るとペースが落ちピットへと向かった3番手のサンテロとは対照的に、エースのロッシは首位のルノーに対しラップあたりコンマ2秒も速いペースで周回し、10秒から8秒へとギャップを削っていく。

 しかし、38周のレースでは勝利の権利を得るには届かず。そのまま逃げ切ったミラが自身初となるSTC2000優勝を飾り、ロッシは2位。そして最後の表彰台にはチームメイトをかわしたフィアットのマティアス・ムニョス・マルケージ(フィアット・ティーポSTC2000)が入っている。

 これでトヨタのエース、ロッシが125ポイントで今季初の選手権首位に浮上し、ペーニャは115ポイントで2位に転落。ランキング3位は、オープニングの混乱で大きくポジションを落としていた王者アルドゥソが90ポイントで続く展開となっている。

 2019年STC2000シーズンは残り4戦。続く第9戦は10月5~6日の週末にアルゼンチンを代表するワインの産地、メンドーサ州に位置するサン・マルティン・サーキットで争われる。

首位バトルから一転、遺恨を残す去り方となったシボレーYPFのベルナルド・レイバー
予選Q1敗退から怒涛の追撃を見せたトヨタ勢。エースのマティアス・ロッシは2位まで這い上がった
ルノー、トヨタ、フィアットのファクトリー支援チームが表彰台を分け合う結果に

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