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海外レース他 ニュース

投稿日: 2021.10.28 23:14
更新日: 2021.10.28 23:17

根本悠生 2021インターナショナルGTオープン第7戦バルセロナ レースレポート

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海外レース他 | 根本悠生 2021インターナショナルGTオープン第7戦バルセロナ レースレポート

Yuki Nemoto
Rd.7 Barcelona
2021.10.22〜2021.10.24
Race Report

■Introduction

 10月22〜24日、インターナショナルGTオープンの2021年シーズン最終戦となる第7戦が、スペイン・バルセロナ北部のカタロニア・サーキットで開催された。

 全7大会14レースのうち、獲得ポイントの最も少ない1レースを除いた13レース分のポイントでシリーズを戦う『有効ポイント制』を敷いている2021年シーズン。第6戦レース2終了時点で130ポイント(総獲得136ポイント)を手にしたヴィンツェンツォ・ソスピリ・レーシング(VSR)の63号車ランボルギーニ・ウラカン GT3 Evo(フレデリック・シャンドルフ/ミケーレ・ベレッタ組)は、108ポイントで2番手に続く77号車ポルシェのアンディ・ソウセックに対し、22ポイントと大差を築いており、最終戦レース1終了時点でのチャンピオン決定の可能性も出てきた。

 一方、85ポイントで最終戦を迎えるVSRの19号車ランボルギーニ・ウラカン GT3 Evo(根本悠生/バプティスト・ムーラン組)は、ランキング4位。90ポイントを獲得している77号車ポルシェのアル・ズベイルとは5ポイント差という状況。シリーズランキング3位獲得を目標に置き、最終戦の舞台バルセロナに降り立った。

■Free Practice

 10月21日、公式セッションを前にした恒例のプライベートテスト(非公式セッション)が実施され、19号車ランボルギーニ は計25周を走行し1分46秒338を記録した。
 
 根本は「プライベートテストの直前に小雨が振り始めるという複雑なコンディションとなった一日でした。そんな中でも重たいクルマでのロングランペース確認を済ませ、非常に幸先の良いデータ収集をすることができました。開幕戦と比べて、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパの常連チームが参戦して来るなど、より一層ハイレベルな戦いとなっています」と初日を振り返る。

 公式練習日となった22日、19号車ランボルギーニ は、FP1で1分45秒247を記録し4番手と上位勢に食い込んだ。一方、FP2は赤旗によるセッション中断を挟んだこともあり、ベストタイムは13番手となる1分47秒356となった。

「一時はリーダーボードのトップ2をVSRで独占するほどの強さをみせることができたFP1、対してFP2は僕のニュータイヤでの走行中に起きた不運な黄旗、そして赤旗の連続で下位に沈みました。純粋なクルマの速さではトップを狙える位置に居ると思うので、気を抜かずに頑張ります」と語った根本。前戦モンツァから改善が施された19号車ランボルギーニ に対し、好感触を得ているようだった。

インターナショナルGTオープンに参戦する根本悠生(VSR)
インターナショナルGTオープンに参戦する根本悠生(VSR)

■Qualify1:4th

 23日午前に行われた公式予選Q1。19号車のアタッカーは根本が務めた。気温13.3度、路面温度は12.5度と冷え込むドラコンディションのなか、ポールポジションは1分43秒152を叩き出した87号車メルセデスのジム・プラが獲得。このレースでタイトル獲得の可能性も大きい63号車ランボルギーニのシャンドルフがフロントロウを手にした。

 3番手には9号車メルセデスのマーティン・コドリッチが、そして4番手にはトラフィックに引っかかりながらも、1分43秒996を記録した19号車ランボルギーニの根本が続いた。シーズンを通してランボルギーニ勢には厳しいBoP(バランス・オブ・パフォーマンス/性能調整)が課せられるなか、公式予選Q1では好調が続くメルセデス勢と遜色ない戦いを繰り広げることができた。

YouTube:https://youtu.be/hPcEQswI90Q

■Race1:3rd

 23日午後、全29台が出走した70分間の決勝レース1は、気温20.1度、路面温度27.4度、湿度56%、引き続きドライコンディションのもとでスタートを迎えた。

 長いホームストレートを持つカタロニア・サーキット。中段では4ワイド状態となるなか、87号車メルセデスが1コーナーのホールショットを守る。ここで4番手スタートの根本は、9号車メルセデスに対し見事なオーバーテイクを決めて3番手に浮上。一方、19号車とシリーズランキング3位を争う77号車ポルシェはオープニングラップの4コーナーでオーバーランを喫し、順位を大きく落としている。

 トップ4台は均衡状態となるなか、2番手63号車ランボルギーニは、首位の87号車メルセデスを追い立てる展開に。一方、19号車根本の背後には、9号車メルセデスが接近。8周目の5コーナーでインに入られるも、根本は立ち上がりでアウト側に膨らんだ9号車メルセデスに差し返し、2台はサイド・バイ・サイドの見応えあるバトルを展開。ここでタイヤを使い切ると後半の走りにも響くと考えた根本とVSRチームは、7コーナーで9号車メルセデスを先行させる作戦を取ることに、これで19号車根本は4番手に後退した。

 レース開始から20分が経過しようかという11周目、カップクラスのポルシェが最終コーナーでスピンを喫し、レコードライン上にマシンを止めたことでセーフティカーが導入された。

 14周目にリスタートを迎えると、トップ4台は隊列を形成してホームストレートを通過。ここでふたたび3番手に浮上するチャンスを得た根本はスリップストリームを利用し、1コーナーでのオーバーテイクを試みるも、ストレートスピードに秀でるメルセデスの攻略は難しく、ここでのポジションアップとはならなかった。

 ピットレーンオープンを迎えると、上位勢では15秒のハンデストップが課せられている63号車ランボルギーニが真っ先にピットイン。続けて87号車、9号車のメルセデス勢がピットインするなか、19号車は今回もエースドライバーの根本でピットレーンクローズとなるドギリギリまで粘る作戦に。

 レースも残り30分を切った21周目終わりに根本がピットイン。ミスなくムーランへとバトンを繋いだ19号車は、9号車、87号車のメルセデス勢に続く3番手でコースに復帰。一方、63号車ランボルギーニは15秒のハンデストップが効いて4番手に後退した。

 後半スティントを担当した19号車ムーランは、2台のメルセデスのペースに追いつくことができず、ジリジリとギャップが開いてしまう。一方、タイトルのかかる63号車は、47号車メルセデス、77号車ポルシェ、72号車マクラーレンと、いずれも2021年シーズン好走を見せ続けた3台に迫られると、28周目の最終コーナーで3台まとめてかわされ7番手に後退してしまう。しかし、この4台による4番手争いが加熱したことで、3番手を走る19号車ムーランと後方のギャップは縮らずに済んだとも言える。

 残り6分、このままの順位でチェッカーを受ければ63号車ランボルギーニのシリーズタイトルが決定という緊迫した雰囲気に包まれるなか、5コーナーでカップクラスのポルシェとメルセデスが接触。これにより2度目のセーフティカーが導入されることになったが、そのままレース終了時刻を迎え、セーフティカー導入のままレースは終了を迎えた。

 レース1は9号車メルセデスが今季初優勝、2番手に87号車メルセデス。3番手に19号車根本/ムーラン組の19号車ランボルギーニが続き、初レースとなったバルセロナで表彰台を獲得した。そして、7位でチェッカーを受けた63号車ランボルギーニが、2021年のインターナショナルGTオープンのシリーズチャンピオンに決定することとなった。

 第7戦レース1終了時点で19号車ランボルギーニは、ランキング3位につける77号車ポルシェのアル・ズベイルと1ポイント差に迫ることができた。しかし、前戦モンツァのレース1にて、ムーランがマクラーレンに追突したことで、19号車にはバルセロナ戦の公式予選Q2の結果に5グリッド降格のペナルティが課せられることになっており、引き続き厳しい状況で2021年シーズンの最終レースを迎える。

インターナショナルGTオープン第7戦バルセロナ レース1スタートの様子
インターナショナルGTオープン第7戦バルセロナ レース1スタートの様子
インターナショナルGTオープン第7戦バルセロナで3位表彰台を獲得した根本悠生(VSR)
インターナショナルGTオープン第7戦バルセロナで3位表彰台を獲得した根本悠生(VSR)

YouTube:https://youtu.be/KCsWnEVb4eQ

■Qualify2:14th


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