一方、2020年にロブ・ハフを擁してチーム史上初のSTCCチャンピオンを獲得したレストラップ・レーシングは、2022年に向けアンドレアス・バックマンとの契約をアナウンスした。
「このように若くて進歩的なチームに参加するのは素晴らしい気分だ。僕の野心は、今季彼らと一緒にチャンピオンシップに勝つこと。それだけさ」と、地元シリーズ復帰への意気込みを語った26歳のアンドレアス。
2021年はターゲット・コンペティションとともにWTCRに挑戦したバックマン兄妹は、ブリンク・モータースポーツとのジョイントでSTCCにもスポット参戦し、マントープパーク戦ではアウディRS3 LMSをドライブしたアンドレアスが、王者ロバート・ダールグレンを打ち破りポールポジションを獲得している。
「僕らは目標を高く設定したが、僕にはスピードがあり、チームがそれ達成できることも知っている。多くの経験豊富なドライバーと対戦することになるし大変なことになるだろうけど、自信を持っているし、始めるのが待ち切れないよ」と、2018年以来のフルシーズン・エントリーを果たすアンドレアス。
一方、チーム共同創業者のフレデリック・レストラップも「STCCパドック全体が、昨年のマントープパークでのアンドレアスのパフォーマンスに感銘を受けたと思う」と語り、改めて「今季STCCタイトルを奪還するという目標に、彼を迎えることができてうれしく思うよ」と期待を寄せた。
「我々はしばらくの間、アンドレアスの動向に目を向けてきた。彼はここ数シーズンで大きな前進を遂げたね。来るべき瞬間に備えるため、我々の前には多くの仕事があり、彼がそれに貢献できるのは間違いないね」
またチームは、4年間にわたり走らせてきたフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRから、新たなモデルへのスイッチも示唆している。
そして、つねに兄と同じプログラムでTCRシリーズを戦ってきた24歳の妹ジェシカは、パートタイムでのWTCR参戦を経て2022年はTCRドイツに復帰し、ヒュンダイの3台体制を敷くROJAモータースポーツの1台をドライブすることが決まった。
「再びTCRドイツで戦うのは楽しいでしょうね! 私自身、ドイツのレース形式とサーキットの両方を気に入っているから」と語ったジェシカは、2019年、2020年と2年連続でTCRドイツのイベントにゲストエントリーを果たしている。
「前回TCRドイツでドライブしたとき、ホッケンハイムで2位になり最初の勝利に近づけた。2022年の私の目標は、チャンピオンシップでトップの座を争い、TCRで最初の勝利を収めることね」
またSTCC参戦22年目を迎える大ベテラン、48歳のマティアス・アンダーソンは今季も引き続きMA:GPからリンク&コー03 TCRで参戦。そしてノルウェーのラリークロスやサーキット・カテゴリーで活躍した17歳のマリウス・ソルベルグ・ハンセンは、2021年のEuroRX参戦結果により『ペター・ソルベルグ・スカラシップ』を受賞。レストラップ・レーシングから機材を購入し、ファミリーチームとなるMSHモータースポーツからのSTCCデビューを予定している。