「しかし、そんな状況でうまく物事を進めるには、一貫性があり、多くのポイントを獲得するためクリーンであることが重要だ。そして何より多くの運が必要となる。最後はそこだけだね」と続けたベナーニ。

「WTCRの優れている点は、すべてのグリッドがつねに接近した争いになることだ。ペースが似通っていて、グリッドが表示されると上位16~17台が1秒以内にいる、なんてこともザラだ。それだけに巡り合わせが良ければグリッドを逆にすることができ、P16だったドライバーが次のレースでポールに立つことだって可能になるんだ」

 そのコムトゥユー・レーシングの体制発表により、2022年WTCRのグリッドエントリー数はすでに15台が確認されたが、アウディスポーツのカスタマーレーシング部門責任者であるクリス・ラインケは「2022年も、アウディRS3 LMSの成功を継続させたいと思っている」との抱負を述べた。

「年間3勝、12回の表彰台、4度のポールポジション、そして6回のファステストラップ記録など、これらの成功と貢献が“TCRモデル・オブ・ザ・イヤー”受賞の明確なメッセージとして記憶されることにつながった。コムトゥユー・レーシングは信頼できる有能なパートナーであり、我々としても継続性を重視していきたいと思っている」

 一方、ベナーニの古巣でもあるSLRは、こちらも2022年のTCRヨーロッパに向け新たな体制構築をアナウンス。フォルクスワーゲン、ヒョンデと続いてきたマニュファクチャラーとの関係性をスイッチし、新たにクプラ・レーシングとのジョイントを決め、復帰組のジョン・フィリピにクプラ・レオン・コンペティションTCRのステアリングを託す。

「SLRに戻って来られて本当にうれしいよ。土壇場での取り引きで新車に乗ることになったが、それは良い挑戦だし、チームのメンバーとは旧知の仲だから自信を持っているんだ」と、2年前には強豪ターゲット・コンペティションから参戦し、同シリーズ2位を獲得したフィリピ。

 2021年はニールス・ラングフェルド、サミ・タウフィク、フェリーチェ・ジェルミニ、そしてベナーニの4台体制を敷いたSLRだが、チームは現在、2022年後半にさらなるドライバーと新車を投入する可能性も評価しているという。

 そのTCRヨーロッパ2022年シーズンは、この週末となる5月1日にポルティマオで開幕し、合計21台の車両がグリッドに並ぶ。

2022年のTCRヨーロッパに向け、新たにクプラ・レーシングとのジョイントを決めたセバスチャン・ローブ・レーシング
チームは現在、2022年後半にさらなるドライバーと新車を投入する可能性も評価しているという

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