「このザクセンリンクがFIA ETCRとして最初のドイツ上陸となり、シリーズとしてもこの巨大な自動車市場を訪れるのは初だ。ヨーロッパ最大の電気自動車生産施設の目と鼻の先で、新時代のエレクトリック・モータースポーツを披露する絶好の機会にもなる」と付け加えたガヴォリ。
「このような重要な市場を訪問できることは素晴らしいことだし、イベントを実現するための積極的なアプローチに関して、地元のADAC(ドイツ自動車連盟)には特別な感謝を捧げたい」
この結果、今季のETCR最終戦はADAC GTマスターズとTCRドイツ・シリーズとの併催イベントとなり、シーズンフィナーレも2カ月前倒しされる形となるが、その点に関してもガヴォリは「シリーズに参加するチームにとってもメリットになる」と考えている。
「すべてのチームが合意したシーズンの早期終了により、メンバー全員が来季に向けた充分な準備期間を確保し、その作業に集中することができるようになる。2023年にはグリッドが拡大され、すべてのチームがより大きなコミットメントを果たすことになり、未来は明るいと感じている」と続けたETCRシリーズディレクター。
「我々は皆、最初のFIA ETCRシーズンをシリーズの素晴らしいショーケースで締めくくることを決意しており、ザクセンリンクがそのための完璧なプラットフォームになると確信している」
7月末開催の前戦イタリア・ヴァレルンガでは、ヨーロッパを覆う熱波による酷暑も影響し、WTCR世界ツーリングカー・カップと同様にタイヤのパンクやトレッド剥離が頻発。アルファロメオ・ジュリアETCRを走らせるロメオ・フェラーリ陣営は、ブルーノ・シュペングラー(アルファロメオ・ジュリアETCR)のクラッシュを受け、最終的にファイナルを棄権する事態となっていた。
幸い、救急の医療処置を終えたシュペングラーは脊椎骨折と診断された術後の経過も良好で、本人も意欲的にリハビリへ臨み「最終戦には必ず間に合わせる」と語っていたが、本来は11月開催予定だったそのリードタイムが短縮される形ともなっている。