続いてリバースグリッド採用のレース2は、レース・バイ・レースのエントリーでプロモーターズ・カップ登録となるルーカス・ハーンが、シュティフィ・ハルム(チーム・シュバーベントラック/イベコ)と並んでフロントロウ発進を決めると、昨季のニュルブルクリンク・レース2の再現とばかりにターン1でホールショットを奪う。
その背後では、4番手スタートだったホセ-エドゥアルド・ロドリゲス(ロボコノーテ・レーシング・トラックチーム/MAN)が早めのブレーキングを見せたことで後続が混乱。フィールドの大半がコースから飛び出して接触を回避し、コース上には大量の砂埃が舞うことに。
そうした後続の波乱を尻目に、力走を披露した首位ルーカスはそのままトップチェッカーを受け、リバースポールを総合優勝に繋げることに成功。2位ハルム、3位ジェイミー・アンダーソン(アンダーソン・レーシング/MAN/MAN)の全員が、今季初表彰台を獲得するフレッシュな顔ぶれとなった。
明けた日曜の予選も早々にポズナンを攻略したキスの独壇場となり、2023年開幕以降の全セッションばかりか、2022年から14回連続のポールポジションを確保する。
一方のレース3では、フロントロウ2番手に並んだアルバセテの反応が遅れ、ターン3までにレンツ、ハーン、アンダーソンらを交えた3ワイド、4ワイドのバトルを誘発。その結末はアルバセテ自身に跳ね返り、行き場を失ったトラックは真っすぐバリアに激突。レースは早々の赤旗中断となる。
ダメージを受けたトラックをピットに戻し、すぐさま修復に取り掛かったTスポーツ・ベルナウのクルーだったが、事故で左側のドアが損傷して閉まらず。時間との戦いとなり、他陣営も協力した修復作業でなんとか復帰を果たしたアルバセテは、ピットレーンからフォーメーションラップに加わり最後尾でレースを再開することに。
リスタート以降、平穏な展開となった勝負でポールシッターのキスが今季8勝目を飾るなか、14番手から9位まで挽回したアルバセテが、ライバルのペナルティもあり週末最終ヒートのリバースフロントロウを確保。これが重要な因子となり、ターン3でグラスエリアを横切ったリバースポール発進のマーク・テイラー(SLアポロ・タイヤズトラックスポーツ/MAN)を早々に逆転し、なんと首位浮上に成功。
そのままリードを6秒にまで拡大し「この週末は本当に不運続きだったが、チームの努力に感謝したいし、クルーに勝利をプレゼントできて本当にうれしい」と、大きなダメージを受けたトラックで有終の美を飾る結末となった。
続くETRC第4戦はシリーズ最大のハイライトとして、欧州の物流業界関係者やファミリーらが集結するドイツ・ニュルブルクリンクでの1戦となり、7月14~16日に『ADACトラック・グランプリ』が争われる。


