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海外レース他 ニュース

投稿日: 2023.07.04 17:43
更新日: 2023.07.04 17:53

ジェンソン・バトンやカップの猛者らも寄せ付けず。RSC王者SVGが圧巻のデビューウイン/NASCAR第18戦

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海外レース他 | ジェンソン・バトンやカップの猛者らも寄せ付けず。RSC王者SVGが圧巻のデビューウイン/NASCAR第18戦

 そして、こちらも元F1王者キミ・ライコネン起用で注目を集めたトラックハウス・レーシングの国際ゲスト招聘枠『プロジェクト91』からは、オーストラリアの現役ツーリングカーチャンピオンが初参戦。そのSVGは、各車がストリートサーキットで初めて周回を重ねた公式練習から、いきなり挨拶がわりのドライブを披露すると、カップ公式セッション初参加で鮮やかにトップの座を奪った。

「吸収すべきことがたくさんあった。本当にプラクティスから激しいね」と、50分間のセッション序盤からトップオーダーを維持したSVGは、終盤20分からフィールド全体のタイムアップ後も首位の座を譲ることなく、カップの面々にインパクトを与えるスピードを見せつけた。

「クルマは良かったし、クルーたちも素晴らしい仕事をしてくれたし、僕自身の準備も順調だった。僕らは(スーパーカーで)ストリートコースをたくさん走るし、当たり前にある舗装の亀裂やブレーキマーカーによる暴力(笑)など、これほど素晴らしいものはないと思っている。条件は誰にとっても同じで、紙一重の境界線を見つけなければならない。予選、決勝に向けてトラックも良くなるだろうしね」

 そう語ったSVGは予選でも速さを維持し、セッション残り2分の時点まで最速の座を堅持。しかし、そこに立ちはだかったのがトヨタ陣営で、最後のフライングラップを決めたデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)が11号車をポールポジションに導くと、タイラー・レディック(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)の45号車もラストアタックでタイムを伸ばし、ハムリンの熱烈ラブコールで23XIに加入した男が、カムリ独占によるフロントロウを固める構図に。

 これで2列目3番手からの決勝レースデビューとなったSVGの隣には、クリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)が並び、トヨタ陣営vsオーストラリア王者の図式が完成した。

 この予選終了時点から雨模様に祟られたシカゴは、併催されたNASCARエクスフィニティ・シリーズ第16戦『ザ・ループ121』も雷の脅威が続いてレース折り返しを前に中断され、再開予定も虚しく日曜午前へと延期されることに。

 しかし、明けた日曜も早朝から激しく降り続く雨量でコース周辺に水が溜まり、広範囲でジェットドライヤーの作業が続けられたものの、市街地開催を考慮して月曜順延の手段も採用せず「レーストラックと市内全域で水の滞留と洪水が重大な問題となっているため」敢えなく中止に。この結果、ポールスタートから前半戦でレースを牽引したコール・カスター(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)が勝者と認定された。

 こうして始まったカップ初の市街地100周は、暴れるマシンをねじ伏せるウエット路面から、レコードラインのみ、さらにトラック全体とドライアップの進む“変数要素”も加わった難しい展開となり、オープニングでレディックの先行を許したハムリンは、続くラップで早くもSAFERバリアの餌食となる。

 そんなトップ10の集団内で唯一、ワイパーを作動させることを“忘れていなかった”SVGは、名手カイル・ブッシュ(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)らを含め各車がウエットタイヤと水量ある路面のブレーキングで続々と判断を見誤るなか、自身の習熟やコンディション変化の見極めも兼ねて、先頭集団でノーミスのラップを重ねていく。

 一方、トヨタのベルとレディックがワン・ツーを決めたステージ1をトップ10で進めていたバトンも、続くステージ2の最終コーナーで後続にヒットされスピン。そのままレーン入り口側へ弾かれたこともあり、アクセルターンを決めピットへ向かうと、ここでエントリーに飛び込んで来た王者ジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)とあわや接触の一幕も。お互いヒットせずダメージは避けられたものの、ここでバトンは大きなタイムロスを喫してしまう。

予選ではトヨタ陣営が逆襲に転じ、意地を見せたデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)が11号車をポールポジションに導く
予選ではトヨタ陣営が逆襲に転じ、意地を見せたデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)が11号車をポールポジションに導く
現地シカゴの豪雨であおりを受けたNASCARエクスフィニティ・シリーズ第16戦『ザ・ループ121』は、コール・カスター(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)が勝者と認定された
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決勝を前に、3番手スタートながら「勝利を狙えるだけの速さはないだろう」と、SVGも控えめな見通しを語っていた
決勝を前に、3番手スタートながら「勝利を狙えるだけの速さはないだろう」と、SVGも控えめな見通しを語っていた

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