ヨーロッパ・ル・マン・シリーズ第1戦 スペイン/バルセロナ
LMS:シーズン開幕戦でポルシェ911 GT3 RSRが優勝
ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:Dr.ヴェンデリン・ヴィーデキング)のニューポルシェ911 GT3 RSRをドライブするマルク・リエブ(ドイツ)/リヒャルト・リエッツ(オーストリア)組が、カタロニア・サーキットで行われたル・マン・シリーズ(LMS)開幕戦のGT2クラスにおいて優勝を飾りました。
バルセロナ近郊のサーキットで開催された開幕戦を、フェルベマイヤー・プロトン・チームの911GT3 RSRSで戦ったこの2名のワークスドライバーは職人技を披露しました。彼らはタイヤの選択を誤り、スタート後1時間で6位まで後退しました。その後、4.665 kmのグランプリ・サーキットで怒涛の追い上げと、オーバーテークの連続の末トップに躍り出て、そのパフォーマンスに観客は酔いしれました。LMSでの勝利は、今週末、世界各地のレースに参戦していたポルシェ911 GT3 RSRの戦績を完璧な形で締め括るものとなりました。
アメリカン・ル・マン・シリーズおよびニュルブルクリンクの耐久チャンピオンシップシリーズにおいても、ヴァイザッハ生まれのGTレーシングカーは全ての敵を退けたのです。「すごいレースだった」とマルク・リエブは開幕戦での勝利に喜びを隠しません。さらにリエブは、「ハードタイヤでスタートしたのは失敗で、かなり苦しんだ。だけど、運良くセーフティカーが先導しているときにピットインすることができた。これは、大きかった。何故なら、われわれのポルシェは燃費が良く、同じ量の燃料でライバル車より2周多く周回できるからだ。トップグループに追いつくことができたのは、そのためだ。そこから、燃費の良さを活かして少しずつ追い上げ、最終的にはレースをリードすることができたんだ」と話しています。またフェルベマイヤーチームに初めて加わったリヒャルト・リエッツも、満足気に、「今日のレースは、体力的にも厳しいものだったが、それだけに勝利の味は格別だ。実を言うと、われわれは、驚くべきセッティングを出すことができていたんだ。しかし、今日の路面はきわめて滑りやすく、クルマが完璧でも、頭を使わなければ勝つことはできなかった」とコメントしています。
フェルベマイヤー・プロトン・チームの2号車は、ホースト・フェルベマイヤーJr.(オーストリア)、クリスティアン・レイド(ドイツ)およびフランシスコ・クルス・マルティンス(ポルトガル)がステアリングを握り、激戦のGT2クラスで7位と健闘しています。チーム監督を兼任するレイドは、「われわれは、レース序盤で無線のトラブルに見舞われた。そして、ポルシェ ジュニアチームのフランシスコのリアに他車が接触し、スピンを喫した。もちろん、これは彼の責任ではないよ。全体的に、われわれはレースの結果には満足している。もちろん、チームの2人のドライバーが表彰台の中央に立ったのも大きな喜びだ。また、ピットクルーの働きで、ピット作業がスムーズに行ったのも賞賛に値する。冬の間に練習を積んだ努力が報われたよ」と話しています。
一方、フランスのIMSAパフォーマンスチームは不運に見舞われます。ポルシェのワークスドライバーであるパトリック・ピレと同じくフランス人のライモン・ナラは、3位からスタートしてすぐに2位に浮上、余裕をもってトップグループのポジションをキープしていました。昨年、アメリカでのレースをポルシェで戦った27歳のピレは、ヨーロッパのル・マン・シリーズの感想を、「コース上に43台がひしめき合っているのには参った。サイドバイサイドとオーバーテークの連続だ。もちろん、退屈する暇なんてない。まさに、観客はこれを見に来ているんだよね」と語っています。レース中盤で、彼らのクルマはスローダウンします。ピレは、「原因はわからないが、とにかくパワーが落ちた。これから調べてみる」と話しています。
ル・マン・シリーズ第1戦(全5戦)、スペイン/バルセロナ
GT2クラスレース結果
1. リエッツ/リエブ組(オーストリア/ドイツ)ポルシェ911 GT3 RSR、187周
2. ベル/ブルーニ組(イギリス/イタリア)フェラーリF430 GT、186周
3. シモンセン/モンタナーリ組(デンマーク/サンマリノ)フェラーリ430 GT、185周
4. アーレット/ベルトワーズ組(ドイツ/フランス)フェラーリF430 GT、185周
5. ガルシア/マンセル組(スペイン/イギリス)フェラーリF430 GT、185周
6. ハートショーン/シェイエ/イアネッタ組(イギリス/フランス/スペイン)フェラーリF430 GT、184周
7. フェルベマイヤーJr./レイド/マルティンス組(オーストリア/ドイツ/ポルトガル)ポルシェ911 GT3 RSR、182周
8. コッカー/ドレイソン組(イギリス/イギリス)アストンマーチン・ヴァンテージGT2, 181
GT2クラスポイント順位
ドライバー部門
1. マルク・リエブ、リヒャルト・リエッツ(ポルシェ)各10ポイント
2. ロバート・ベル、ジャンマリア・ブルーニ(フェラーリ)各8ポイント
3. アラン・シモンセン、クリスティアン・モンタナーリ(フェラーリ)各6ポイント
4. ピエール・アーレット、アンソニー・ベルトワーズ(フェラーリ)各5ポイント
5. アントニオ・ガルシア、レオ・マンセル(フェラーリ)各4ポイント
6. ジョン・ハートショーン、ジョアン・ボリス・シェイエ、ロマイン・イアネッタ(フェラーリ)各3ポイント
7. ホースト・フェルベマイヤーJr.、クリスティアン・レイド、フランシスコ・クルス・マルティンス(ポルシェ)各2ポイント
8. ジョニー・コッカー、ポール・ドレイソン(アストンマーチン)各1ポイント
マニュファクチュアラー部門
1. フェラーリ 14 ポイント
2. ポルシェ 12ポイント
3. アストンマーチン 1ポイント
ル・マン・シリーズ次戦は、5月10日にベルギーのスパ・フランコルシャンで開催されます。
ル・マン/WEC ニュース