予報のとおり、マレーシアGPの予選は雨の下行われました。それも、ただの雨ではなく、バケツをひっくり返したようなスコール。コース上の各所には川ができてしまい、とてもF1マシンが走れる状態ではなく、セッションは予定よりも50分遅れた16時50分(現地時間)にようやく開始と相成りました。

 この悪条件の中でポールポジションを獲得したのは、開幕戦に引き続きメルセデスのルイス・ハミルトンでした。2番手にはパフォーマンスの上昇度合い著しいレッドブルのセバスチャン・ベッテル、3番手にはハミルトンのチームメイトであるニコ・ロズベルグ。オーストラリアGPと同じくメルセデス‐レッドブル‐メルセデスという順序です。ただ前戦と大きく異なるのは、2番手に付けたレッドブルが「これなら勝ちが狙えるかもしれない」というポジションに急上昇してきたことです。

 では、決勝レースがどんなものになるのか、ここまでの各セッションの結果を基に、ちょっと想像してみましょう。

 まず、現時点での予報では、決勝レースも予選と同じような“サンダーストーム”になるそうです。その雨の程度にもよりますが、予選Q1のようにインターミディエイトタイヤ(浅溝のウエット用タイヤ)で走れるコンディションだった場合、予選トップ3が逃げるのではないでしょうか? Q1では3番手だったベッテルと4番手のニコ・ヒュルケンベルグ(フォースインディア)との間には約1.2秒の差が付きました。これはかなり大きな差で、逆転するのは至難の業と言えると思います。

 では、トップ3人の中で勝者は誰か? 「F1速報」はベッテルに注目します。金曜日の原稿(「F速注目! ベッテルとウイリアムズが来るか?」)にも書きましたように、ドライコンディション下では、レースペースでベッテルがメルセデスの2人に勝っていたように思えるからです。程度の差はあれ、ウエットでもドライでも、タイヤへの影響は似たような傾向になるはず。予選のような一発のタイムアタックならまだしも、長距離を走らなければならない決勝レースでは、デグラデーション(タイヤのタレによるペースの下落度合い)が少ないベッテル有利と見ました。

 一方、雨が徐々に強まっていき、ウエットタイヤ(インターミディエイトよりも強い雨量の時に履く深い溝が彫られたタイヤ)の出番となるようなコンディションだった場合には、Q3で肉薄したとおりフェラーリのフェルナンド・アロンソやキミ・ライコネン、そしてレッドブルのダニエル・リカルドらにも付け入る隙はあるかもしれません。また、状況がコロコロ変わった際の咄嗟の判断力に定評があるマクラーレンのジェンソン・バトンにも注目です。

 また、今回もトラブルが続き、予選も20番手で終わってしまった小林可夢偉ですが、正直今回も苦しいレースとなるはず。ただ、雨の混乱は現時点での唯一のチャンス。その隙を突いて、ぜひひとつでも前でフィニッシュして欲しいと願っています。

 参考までに各ドライバーが持っているタイヤの状況についてもお知らせしておきましょう。今年は1レースにつきインターミディエイトタイヤ4セット、ウエットタイヤ3セットを各ドライバーが使えることになっています。トップ10に残ったドライバーはすでに全てのウエットタイヤを使いきってしまっているので、雨量が多くなった場合には、中古のウエットタイヤでレースを戦うことになります。一方インターミディエイトタイヤについては上位3人が新品を3セットずつ保持している状態。トップ10の他のドライバーたちは2~3セットをすでに使ってしまっているので、この点でもトップの3人が有利になります(タイヤの使用セット数は、FIAの公式アプリを参考にしています)。

 なお、決勝レースがもし仮にドライで行われた場合の予測も少しだけしておきましょう。前述のとおりメルセデスの2台よりもベッテルの方がドライでのペースは良さそうですが、この3人が突出していたのも事実。ドライでも、上位3人の優位は揺るぎそうにありません。他と違う戦略を採った場合に上位に進出してきそうなのはウイリアムズの2人ですが、彼らのマシンは雨を大の苦手としているようで、開幕戦に続き今回も下位に沈んでしまいました。しかし晴れれば、前戦でバルテリ・ボッタスが魅せたような熱い走りをまた見せてくれることでしょう。

 注目のマレーシアGP決勝レースは、3月30日17時(日本時間)スタート。「AUTOSPORTweb/F1速報」では、スタート1時間前に直前情報を発信する予定です。

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