ブラジルGPでドライバーズタイトルを勝ち取ったジェンソン・バトン、コンストラクターズタイトルを獲得したブラウンGPに対し、イギリス首相やBRDC会長デイモン・ヒル、ジャッキー・スチュワートなど、母国イギリスの名士や先輩チャンピオンたちから祝福のコメントが寄せられた。

コリン・ヒルトン（イギリスモータースポーツ連盟モータースポーツ・アソシエーション）
　ジェンソンは今年最高の仕事をした。皆が彼のために喜んでいる。イギリスのモータースポーツのカテゴリーをステップアップしていった彼のキャリアをずっと見守ってきた我々にとって、彼には将来の世界チャンピオンとしての素質があることは常に明らかだった。チームは今年彼にいい道具を与え、彼は見事に結果を出した。
　ブラウンGPにとってこの12カ月の歩みは偉業であり、ロス・ブラウンとニック・フライの見事なリーダーシップが存分に証明されたといえよう。モータースポーツ産業においてイギリスは世界をリードしており、この国のモータースポーツ産業の力量が見せ付けられる結果ともなった。イギリスにとってはF1世界選手権を2年連続で制することとなり、このスポーツの素晴らしい後押しとなるだろう。
　イギリスのモータースポーツを代表し、10人目のイギリス人ワールドチャンピオンになるという偉業を成し遂げたジェンソンにお祝いを申し上げる。

サー・ジャッキー・スチュワート
（ジェンソンは）ペースを正しくコントロールし、勝ちにはいかなかった。それは明らかだ。しかし同時に彼は計算された、スムーズで、慎重な走りをした。結局のところ、それこそが世界選手権を勝ち取る方法なのだ。最初の7戦で6勝し、楽勝かと思われた後、突然優勝が途切れ、ずいぶんと叩かれたが、そんな時でさえも、彼は静かなる威厳をもって仕事を成し遂げた。この時期彼はとても辛い思いをし、ひどく批判されたが、彼は品位を失わず、自分のやり方を貫き、見事乗り越えた。
　ロス・ブラウンはジェンソンにドライバーズ世界選手権を勝ち取らせたと同時に、コンストラクターとしての初年度にコンストラクターズ世界選手権を制した。見事な結果を出した。

デイモン・ヒル
　ジェンソンは見事にやり遂げた。彼が、誰かから与えられるのではなく、自分の手でタイトルを勝ち取ろうと強い決意を持っていたことは誰もがわかっていた。とてもハッピーなストーリーだ。ジェンソンは本当に魅力的な男で、あの笑顔に誰もがひき付けられる。プレイボーイのワールドチャンピオンだね。誰もが彼のために喜んでいると思う。本気でやっているのかと批判されたりもしたが、彼が実際にはどれだけ本気で戦っていたのか、これで誰もが分かっただろう。

ニキ・ラウダ
　世界チャンピオンになれば、誰にも批判されるようなことはない。彼は完璧な仕事を成し遂げ、いまや世界チャンピオンの一員となった。シーズン中盤はかなり守りに入り、リードを守ろうとし、実際に守り切った。一方で彼は、ブラジルでは非常にアグレッシブかつパーフェクトなレースをした。彼は両方の走りができるドライバーだということだ。イギリスに再び素晴らしいワールドチャンピオンが誕生した。

バーニー・エクレストン
　最高のレース、最高のシーズンだった。選手権争いはドラマチックだっただけに、ここで終わってしまったのは残念だが。ジェンソンには常に疑問符がついてまわったが、今日はとてもいいレースをし、すべての疑問に答え、やるべきことを成し遂げた。
　シーズン序盤にいいマシンに助けられたという要素はあったものの、それでもジェンソンはやるべきことをやり、ここ数カ月は、レースに勝つことではなく世界選手権争いに勝つことを考えた走りをしていた。

ゴードン・ブラウン（イギリス首相）
　昨年ルイス・ハミルトンがドライバーズタイトルを獲得したブラジルで、今日F1ドライバーズタイトルを勝ち取ったジェンソン・バトンに、心からお祝いを申し上げたい。イギリス人として10人目のチャンピオンとなったジェンソンを我々は心から誇りに思う。彼は生まれたばかりのブラウンチームでシーズンを通して素晴らしいパフォーマンスを見せ、イギリスのF1ファンばかりか世界中のファンを興奮させた。今後の彼の成功を楽しみにしている。