今年のパイクスピーク・ヒルクライムに、ノルマM20 RD リミテッドで参戦しているロマン・デュマ。2012年にポルシェ911を駆って初のパイクスピーク参戦を果たしたデュマは、昨年からはオリジナルマシンの『ノルマ』を投入し、セバスチャン・ロウブのプジョー208T16に迫る予選タイムを記録するなど、パイクス制覇に熱意を燃やしている。

「僕にとってはすごく楽しみなイベントで、ホリデーみたいなものなんだ」とパイクスについて語ったデュマ。完全に個人のプロジェクトとして、毎年この最高峰の山に挑んでいるデュマだが、彼は先のル・マンでも活躍を見せた通り、ポルシェ・ワークスと契約するプロフェッショナルドライバーの立場でもある。今回のパイクス参戦にあたっても、デュマはポルシェから再三、『出場を再考するように』と言われたというが、「お願い、お願い、絶対に出たい!」と嘆願して出場にこぎ着けたのだとか。

 12年から完全舗装路に移行したパイクスは、その影響もあってタイヤグリップと空力への依存度が飛躍的に高まっており、サーキットドライバーのドライビングが勝利への可能性を高めるキーポイントにもなりつつある。また、マシンに関しては“タイヤ”、“空力”の強化を狙って、全車がその2点の開発に注力している。

 今回、総合優勝争いでデュマの対抗馬とも目されるEVモディファイドクラスのミツビシ『MiEVエボリューションⅢ』も、昨年モデルに比べフロントのチンスポイラーを大型化しフェンダー部の左右にカナードを追加。これにより特にフロント部のダウンフォースが格段に高まりアンダーステアの低減を実現。合わせて、リヤウイング形状を見直して前後バランスも適正化し、オーバーステア抑制も狙ったと開発陣は胸を張る。

 また、タイヤの側面からも、MiEVエボリューションⅢはダンロップと共同開発した大径タイヤを採用。同じくEVモディファイドクラスでパイクスの主とも言うべき田嶋信博も、昨季からシンガポールに拠点を置く『Giti』というタイヤメーカーと契約し、完全オリジナルのスリックを開発している。そのサイズはEVながら340/710-18(ちなみにミツビシは330/680-18)というから、完全にレースカーのそれである。

 デュマもこれらの車両について「僕らのチームもすごく上手く機能していて、予選(総合首位)には完全に満足しているけど、いくつかのEVモディファイド、とくに大手メーカーが製作したマシンはすごく速そうだから、どうなるかは見てみないとね」と、その速さを警戒している。

 ただし、こうした近年のパイクスの流れは、当然デュマにとっても歓迎すべきもの。現地ではGT500時代(2001年デンソーサードスープラGT)の昔話をしつつ、「日本のGT500マシンを持ってくれば楽勝で勝てるんじゃない?」とも語ってくれた。

 最新のDTM規定GT500……とは言わずとも、デュマの乗った時代のスープラやNSX、そして昨季で役目を終えた09規定のGT500などを持ち込んでみても、面白いかもしれない。

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