2011 新時代の幕開け:
2011年3月21日、ミラノ
グランプリ概略:
これまで15回の公式テストと18回のプライベートテストを経て、いよいよピレリのF1活動が始まります。19年と4ヶ月24日前に豪雨によってわずか14ラップの最短記録で終了したアデレードでのオーストラリアGPで終えたピレリのF1活動は再び同じ国から始まります。
今年のオーストラリアGPはメルボルンのアルバート・パークにて開幕を迎え、向こう3年にわたるピレリのF1タイヤの独占供給が開始されます。今回のメルボルンでは前回のアデレードと同様にドラマが生まれることでしょう。
ピレリのPZeroタイヤはKERSの復活や可変リヤウイングと同様、コース上やピットでのオーバーテイクを増やすために設計されています。オーストラリアに投入されるタイヤはハードとソフトの2種類です。ソフト・タイヤは速さとグリップを重視し、ハード・タイヤはより耐久性に重きを置いた仕様となっています。
気象状況は今までテストしてきたコンディションとは異なるため、週末に使われる通常の12セットの他に金曜のフリープラクティス用にプライムタイヤが1セット供給され、練習走行と最終セットアップに用いられます。
ピレリ・モータースポーツ・ダイレクターのコメント:
「我々が1年以上かけて築きあげてきた成果が披露される時なので興奮しています。我々のタイヤは今までのF1用タイヤとは異なる設計になっていますが、全てのチームは共同テストを通じて有効な情報を得られているものと思います。今回のオーストラリアでは2-3回のピットストップを行うものと読んでいます。これは可能な限り耐久性を延ばすというピレリの公道用タイヤのDNAとは相反するものですが、F1用のタイヤは例外です。それは、チームやプロモーターからエンターテイメント性を求められているためです。そのことを念頭においてチームやドライバーがどのようにタイヤを使いこなし、各々が独自の戦略を立てていくかによってレースがより魅力的になっていくことを望んでいます。私たちはテストを通じてチーム間でいくつかの違いがあることに気づいています。各チームがそれをどうレースに生かしていくかを見るのをとても楽しみにしています」
ドライバーのコメント:
セバスチャン・ベッテル(レッドブル・レーシング):
「誰もメルボルン・サーキットでピレリタイヤを装着して走ったことがないので果たしてどうなるか。全く新しいことが始まる。確実に言えることはいつもと異なることに非常に興味があるということだ。ここはいつもタイヤには厳しいサーキットだから全く気が抜けない。メルボルンのコースは高いブレーキング・スタビリティを求められるし、いくつかのコーナーは少しバンピーだ。高いトラクションを得るのが難しいコースだからマシンのセットアップが非常に大事になってくる。自分たちはウィンター・テストで得られた知識をもとにセッティングを行っているがオーストラリアのコンディションは全く異なっている。みんなシーズンの開幕を楽しみにしている。ドライバーのみならず観客も魅了するレースになることを望んでいる」
テクニカル・ノート:
・オーストラリアはセミ・パーマネント・サーキットで路面は粗めで特に左側の前輪に厳しいサーキットとなっている。
・右コーナーが10、左コーナーは6あり、コースの総延長5.303kmを58周して争われる。
・昨年のメルボルンでは28のピットストップが行われた。最短はマーク・ウェーバー(レッドブル・レーシング)の10周目に行われた23.517秒、最長はルーカス・ディ・グラッシ(ヴァージン)の25周目の15分47.885秒だった。
・メルボルンでもっともピットストップの回数が多かったのは2004年で49回。ドライバー1人当たり平均2.45回ピットストップが行われたことになる。