いよいよ明日、ザウバーからF1ヤングドライバーテストに参加する佐藤公哉。佐藤はヨーロッパに渡る前に、全日本F3で活躍、2009年にはNクラスのランキング2位となった。その年、同クラスのチャンピオンを獲得し、今季はスーパーフォーミュラとスーパーGTに参戦する山本尚貴(TEAM無限)に、佐藤へのエールをもらった。
2009年の全日本F3のNクラスは、比較的安価な参戦コストにより台数が増加。山本が所属していたホンダ若手育成プログラムのHFDP RACING、佐藤が所属したニッサン若手育成のNDDP EBBROといったメーカー系チームをはじめ、黒田吉隆、アレキサンドレ・インペラトーリを擁したACHIEVEMENT by KCMG、関口雄飛のEBBRO AIM F307など、後に上位カテゴリーで活躍するドライバーが揃っていた。
最終的に、この年のNクラスは山本がチャンピオンを獲得。翌年、山本はスーパーGT/スーパーフォーミュラにステップアップし、ランキング2位だった佐藤はもう1年全日本F3のNクラスを戦った後、ユーロF3に旅立っていった。
山本は今季、激戦のスーパーフォーミュラで2戦連続表彰台を獲得しており好調ぶりを披露しているが、そんな山本に、F1ヤングドライバーテスト参加が決まった佐藤に対しコメントを求めると、こんなエールが返ってきた。
「単純に、同じ世代のドライバーがF1に乗ってくれることは嬉しいというか、頑張って欲しいと思いますね」と山本。
「同じ日本人として、通用するということを世界の人たちに報せて欲しいし、逆にそこで頑張ってくれたら、『僕たちも通用する』という自信にも繋がると思います」
本人はこの時口には出さなかったが、山本もF1への夢をもつひとり。今季から再びイエローのベースカラーとなったヘルメットは、アイルトン・セナへの憧れを示すものだ。しかし、佐藤が先にF1に乗ることについて、山本は素直に応援したいと言う。
「彼にいい結果を残して欲しくないとか、そのままF1に乗って欲しくないというネガティブな気持ちではなく、単純に日本で育ってきた部分をみせて世界で活躍して欲しいと思いますね」
「日本で戦ってきたドライバーが世界に通じるところをみせて欲しいと思います」