英AUTOSPORTが2014年モナコGPを戦った22人のドライバーを10点満点で評価した。今回最高得点10点を唯一獲得したのは、マルシャチームと自身にとっての初入賞を達成したジュール・ビアンキだった。
英AUTOSPORTのF1担当編集者エド・ストローは、今季F1第6戦を振り返り、満点10点をひとりに、9点を2人に与えた。
満点の評価を得たビアンキは、21番グリッドからスタートし、8位でフィニッシュ、5秒加算ペナルティによって9位に降格されたものの、2ポイントを獲得した。
「フリープラクティスが始まった直後から、ビアンキはマシンからいい感触を得て、モナコのストリートコースを非常に快適に走っているように見えた」とストロー。
「その流れでQ2に進出することも可能に思えたが、デフのトラブルとイエローフラッグによってQ1では完璧なパフォーマンスを発揮することができなかった」
「しかし決勝では見事な走りを見せた。ハイライトは、小林(可夢偉)に対し、リスクを恐れずチャンスをつかんで実行した、力強いオーバーテイクだ」
「上位のリタイアもあって獲得できた9位ではあるが、ビアンキは決勝スタート前から高い評価に値する働きをしていた」
9位を与えられたのはレッドブルのダニエル・リカルドとトロロッソのジャン-エリック・ベルニュだった。
リカルドは3番グリッドからスタートし、メルセデス勢に続く3位を獲得した。
「リカルドは今回も極めてスムーズな戦いをして結果を出した。木曜のプラクティスが始まった時点から(セバスチャン・)ベッテルよりマシンに快適に乗れているように見えた」
「予選ではメルセデス勢にチャレンジしてポールポジションを獲得することを目指していたものの、レッドブルのマシンにそれだけの力はなかった」
「スタートがうまくいかず5番手に落ちたが、それ以外で悪かったところは見当たらない。苦しむ(ルイス・)ハミルトンに接近したものの、オーバーテイクのチャンスはなかった」
ベルニュは7番グリッドからスタート、マシントラブルでリタイアを喫した。
「ベルニュはこの週末、素晴らしい仕事をした。タイトなストリートコースで彼がトロロッソを走らせる様は、この週末の中で最も見応えがあるシーンのひとつだった」
「週末の最初からQ3進出は確実に見えたし、決勝でもいい走りをして、2度目のセーフティカー出動の後には6位に位置していた。しかしピットストップでの危険なリリースによってペナルティを受け、その後、エキゾーストトラブルに見舞われた。それでも彼が見事なパフォーマンスを発揮したことに疑いはない」
ポール・トゥ・フィニッシュを飾ったニコ・ロズベルグと2位に続いたルイス・ハミルトンにはそれぞれ8点が与えられている。
ロズベルグに関しては、故意にイエローフラッグを出させたのではないかと疑われて審議対象となった予選Q3最後のアタックラップでのミス、ハミルトンに関してはQ3の最初のラップでロズベルグを上回れなかったことが、それぞれ評価点に響いたと説明されている。
可夢偉は20番グリッドからスタート、13位という結果だった。与えられた点数は6点だったが、今のケータハムのマシンの力を考えれば非常にいい仕事をしたと評価されている。
「ケータハムのマシンのパフォーマンスには最下位から抜け出せそうな気配は見られなかった。それだけに、予選で小林が(マックス・)チルトンからわずかコンマ2秒差のタイムを出したというのは素晴らしい仕事だった」
「現実的に見てマシンには決勝で戦える力はなかったが、彼はこの難しいクルマをしっかりと走らせ続けた」
「小林は全力を尽くした。スライドしながらもライコネンをよけたが、その後、強引に仕掛けてきたビアンキに抜かれ、マシンがダメージを負った」
英AUTOSPORTによる2014年第6戦モナコGPでの各ドライバーの点数は以下のとおり(10点満点)。
■レッドブル・レーシング
セバスチャン・ベッテル:7点
ダニエル・リカルド:9点
■メルセデス
ルイス・ハミルトン:8点
ニコ・ロズベルグ:8点
■フェラーリ
フェルナンド・アロンソ:8点
キミ・ライコネン:7点
■ロータス
ロマン・グロージャン:8点
パストール・マルドナド:6点
■マクラーレン
ジェンソン・バトン:8点
ケビン・マグヌッセン:8点
■フォース・インディア
ニコ・ヒュルケンベルグ:8点
セルジオ・ペレス:5点
■ザウバー
エイドリアン・スーティル:5点
エステバン・グティエレス:4点
■トロロッソ
ジャン-エリック・ベルニュ:9点
ダニール・クビアト:8点
■ウイリアムズ
フェリペ・マッサ:8点
バルテッリ・ボッタス:6点
■マルシャ
ジュール・ビアンキ:10点
マックス・チルトン:3点
■ケータハム
小林可夢偉:6点
マーカス・エリクソン:5点