今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。初開催のロシアGPの週末を通して22人ドライバーのなかから「ベスト・イレブン」を選出。レース結果だけにとらわれず、3日間コース上のプレーを重視してチェック。
(最高点は☆☆☆☆☆5つ)

ニコ・ロズベルグ
初コースを得意とするライバルに挑むとしたら、ワンチャンス、スタート直後の2コーナーしかない。そこに賭けたのは正解。が、8速・308km/hで進入、インサイドラインからあのレイトブレーキングでは止まれない。フロントタイヤ破損、1周で交換。その後彼はボッタスにまた同じように2コーナーでインから仕掛けた。アウト側に譲ってもらえたから抜けたものの、他のドライバー(たとえばマッサ)だったら成立しなかったろう。

☆☆

エイドリアン・スーティル
28周目、2コーナーでグロージャンに絡まれスピン。この時彼は接触を予知して対応、マシンをまわしこみ減速、クラッシュ寸前のところをあと数mで止めた。セーフティーカー出動(赤旗?)を回避、もしそんな事態になっていたら初ロシアGPは混乱したに違いない。

ダニエル・リカルド
結果的にアロンソに“完封"されたが終盤二人のクロスプレーは濃密。ハミルトンとは92点差の3位、残り3戦(MAX100点)なのでかろうじて数字上の可能性を保った。

☆☆☆

フェルナンド・アロンソ

尾灯がチカチカ、彼のフェラーリは絶えずアクセルを抜き(リフト)、惰性の(コースト)走法を強いられていた。燃費と回生力がシビアでブレーキングがデリケートになっていたのにリカルドを完封。実に高いレベルのスキル、見ていて絶賛したかった。

セルジオ・ペレス
フォース・インディアはギリギリの搭載燃料を狙ったのだろうか。フリー走行時点からずっと燃費にこだわり、ペレスは「エコラン」モードを指示されていた。レース後半に想定されていた燃費マイナスの大ピンチ、それをしのいで10位、貴重な1点。

ジャン・リュック・ベルニュ
「誰のためでもない、ジュール(ビアンキ)のためにボクは走る」。母国の友人に思いを寄せる気概がソチ初走行からひしひしと伝わった。燃費上の制約によってレース終盤に順位を下げざるを得ない無念さ。いいレースを続ける今の彼をレッドブルの“あの博士"は、年齢だけで切るのか?

☆☆☆☆

ケビン・マグヌッセン
とてもシンプルな作戦、ペナルティ11位グリッドからオープニング勝負。“OT(オーバーテイク)モード"多用でポジションアップ、中盤以降はひたすら“エコモード"に。その切り替えによって開幕戦以来の自己セカンドベスト5位入賞。

ジェンソン・バトン
マクラーレンの底力、初ソチへの研究を進めた成果が初日セッティングから感じ取れた。ここの路面舗装には特殊ポリマー剤が混ざり、それが高グリップ特性となって、硬すぎるタイヤの低グリップを補う傾向に(だから異常なほどロングスティント可能に)。ベテランはそのチームリサーチに呼応、予選&決勝4位でフォース・インディアを20点リード(余談ですが最近あまりTVに映らないのは理由があるようで……)。

☆☆☆☆☆

ルイス・ハミルトン
これで初コース3勝目。07年富士、12年オースティンと先天的な彼のドライビングセンス<速さ>を見てきた。今年2度目の4連勝で16戦9勝、これは88年セナの16戦8勝を超える。タイトリストの資格にふさわしいと思う。

ダニール・クビアト
私的には予選2列目までくるのではと予想していた。本人は5位に「魔法をつかったわけじゃないです」と笑うが、あの3コーナーを誰よりも踏みきり、微細な“ドリフトアングル"で駆け抜ける能力は王者たちをも圧倒。ロシアの宝石、ソチに輝く――。

バルテリ・ボッタス
初めてのPPは自分のミスで逸したが初めての最速ラップを獲得。最終ラップに彼はすべての回生力を放出、予選タイムの1.8秒落ち(!)。会見場では無表情、無言、瞬きせずカメラ目線でいた彼。内心このふたりに負けたのではなくメルセデスW05に自分は負けたと、悔しがっていたのだろう。5度目の表彰台によってアロンソ、ベッテルをかわしランク4位進出。リカルドと「第3の男」の座を争う終盤クライマックスの目玉は前のふたりよりもこちらではないか。

☆なし
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