F1第8戦オーストリアGPの決勝でトップ10入りしたドライバーたちがレースの内容を振り返った。
ニコ・ロズベルグ 決勝=1位
「最高の週末だった。オーストリアに戻ってくることは僕にとってすごく嬉しいことだったんだ。ホームレースのドイツで走っているような感じがしたよ。最高のサーキットで、ファンも素晴らしいし、最後にはいい結果も出せた。素晴らしいクルマと完璧な戦略を用意してくれたチームに感謝すべきだね。ウイリアムズの前に出るためにピットストップを早めに行うというアグレッシブな選択をして、それがすごくうまくいった。ブレーキを労わって走らなければならず、レースを通してそれが大きな課題だった。でもこれも完璧に成し遂げることができたよ。この週末を迎えるにあたっての目標はチャンピオンシップのリードを拡大することで、それを達成することができた。だから次のシルバーストンでのチームのホームレースに大きな自信を持って臨むことができる。ウイリアムズも素晴らしい仕事をしたね。今日、2番目のチームは彼らだった。おめでとうと言いたい」
ルイス・ハミルトン 決勝=2位
「昨日の予選でああいうことが起きたから、今日はダメージを最小限にとどめることを目指した。だから2位でフィニッシュできて嬉しい。週末を通してマシンに速さがあったけれど、それを生かすことができなかった。うまくいかない週末を2位で締めくくることができてとてもよかったと思う。ロケットスタートを決められた。今年はそのためにずっと努力してきて、今回、僕にとってキャリア最高の部類に入るスタートを決めることができた。起こることについて計画を立てることはできないけれど、なんとかマシンを正しい場所に持っていくことができ、1周目を終えるころには4番手に上がっていた。今日はブレーキを労わって走る努力をしなければならなかった。僕はレースの大半でトラフィックの中で走っていたし、完走することが何より大事だったから、ぎりぎりの状態でバランスを取って走った。戦略はとてもうまくいって、2番手に上がり、ニコ(・ロズベルグ)を追いかけ始めた。でも彼は一切ミスをせず、オーバーテイクするチャンスはなかった。今日はチームの皆が素晴らしい仕事をしてくれたおかげでまた1-2フィニッシュを達成できた。オーストリアのファンは熱狂的だったよ。次のシルバーストンは僕のホームレースだから、ファンから大きなエネルギーをもらえる。特別な時間になるだろうし、勝つために全力を尽くす」
バルテッリ・ボッタス 決勝=3位
「今の気持ちを表現するのは難しい。今までで最高のシャンパンを味わった。チームのこれまでのすべての努力がこの瞬間に表れている。ピットストップによってトップ争いに加わることができ、それが僕のレースを変えた。作業を行ってくれた皆のおかげだよ。ピットストップの前にいいラップを走ってフェリペ(・マッサ)の前に出ることができ、その後は前のクルマと共にペースをコントロールして走れた。2台揃って大量にポイントを取ることは目指していたことだし、チームにとって3位と4位というのは素晴らしい結果だ。表彰台にはあとふたつ上があるけれど、今はこの瞬間を楽しみたい。難しいレースだった。もっとうまくやる方法があったのかどうかは、調べてみる必要がある。分析してみるまでは(異なる戦略を採れば勝てたのかどうか)判断するのは難しい。今の時点では、今日僕らチームが成し遂げたことに満足している。でも僕らは常に向上することを目指している。プラクティスでのデータからして難しいレースになることは分かっていた。実際は予想よりもうまくいった。全体的に見て僕にとって最高の週末だと思う。チームのために本当に嬉しく思っている。僕らのハードワークのたまものだ。前進し、今のポジションへと近づいてきた。自分たちが手にしているものを最大限に活用しようと話してきたが、今日、僕らにはそれができる力があることを証明した」
フェリペ・マッサ 決勝=4位
「バルテッリ(・ボッタス)は素晴らしい仕事をした。僕もすごく嬉しいよ。僕らはメルセデスといい戦いをしたけれど、勝つ見込みがないことははっきりしていた。レースを通してタイヤを管理して走らなければならず、トラフィックに苦しんだ。トップを走っていたのに、ピットストップの後、4位にポジションを落とすというのは少しがっかりだけど、それもレースだ。チーム全体にとってポジティブな週末であり、感動の週末だった。一番重要なのは27ポイントを稼いだこと。それによってコンストラクターズランキングの順位を上げることができた。僕らは大きく進歩している。でもメルセデスとのギャップを縮めるためにもっと努力を続ける必要がある。ピットストップの後でポジションを落としたのは、ついてなかったからだ。コースに戻るとメルセデス1台の後ろになり、もう1台が僕のすぐ後ろにいて、温まったタイヤであっという間に抜いていった。その周にはゆっくりとピットに向かうマシンにも出くわした。そうして結局(ボッタスに)前に出られてしまった。彼の方が少しラッキーだった。通常は先にピットインする方が有利なのに、僕は(ボッタスのように)ピットストップが2.1秒で終わるという幸運には恵まれなかった。それでもこの結果にも自分の仕事にも満足している。残念ながら表彰台には届かなかったけれど、チームにとって素晴らしい結果だ」
フェルナンド・アロンソ 決勝=5位
「僕にとって今シーズンベストレースと考えていいと思う。アクシデントもなくセーフティカー出動がなかったにもかかわらず、メルセデスから18秒遅れでフィニッシュしたというのはいい結果だ。(ルイス・)ハミルトンを押さえ切るのは不可能だったし、今日の僕らにとって5位が本当に最大限の結果だ。トップ4のマシンは僕らより速さがあったから、僕らより上位を獲得するのが当然だった。何のトラブルもなくレースを通してプッシュすることができたので、少しずつ僕らはよくなってきているということだ。今シーズン、まだまだ先は長い。目標は今までどおりで、いい仕事をしてポイントを獲得することだ。サーキットによって状況が違ってくるから、常にベストを尽くさなければならない。(メルセデスパワーユニットのマシン以外のトップという位置に)特に満足感は持っていない。最高のパフォーマンスを見せたと皆に評価されることはいつだって嬉しいことだ。ドライバーたち、チームプリンシパルたち、ファンたちから自分の仕事ぶりに敬意が示されるのは嬉しい。でも尊敬されることよりもトロフィーを勝ち取りたい。今の僕らはその状態にはない。だからもっといい仕事をして、表彰台に乗り、優勝をつかみ、チームにもっと貢献できるよう努力しよう」
セルジオ・ペレス 決勝=6位
「今日はチームにとってとてもいい結果を出すことができた。グリッド位置を考えるとなおさらポジティブだ。16位からのスタートではポジションを上げるのは簡単なことじゃない。でも僕はすごくいいスタートを決め、いくつも順位を上げた。ジェンソン(・バトン)を抜くことは特に重要だった。彼は僕と同じような戦略で走っていたからね。それが僕のレースにおける重要な瞬間だった。戦略はうまくいった。僕らにはタイヤをうまく管理する能力があることを今回も証明できたし、今年は常にそうだが、レースペースも強力だった。一時レースをリードすることができて嬉しかったよ。後ろのグループが違う戦略で走っているのは分かっていたけどね。唯一残念なのは、グリッドペナルティがなくてもっと上位グリッドからスタートできていれば、結果は大きく違っただろうことだ。今日の僕らには表彰台争いができるだけの速さがあった。2戦残念なレースが続いたから、またポイントが取れて嬉しい。マシンはどんどんよくなっていて、僕らはいい状態にある」
ケビン・マグヌッセン 決勝=7位
「今日は6位でフィニッシュできると本気で考えていた。でも終盤のチェコ(セルジオ・ペレス)の速さはすごかった。残念だったけれど、僕らが進歩したというのはポジティブな要素だ。今週末、前進したけれど、引き続き努力しなければならない。効率的なダウンフォースを見つける必要がある。今週末、このパッケージからすべての力を引き出すことができた。今日のように中位グループで戦うのは楽ではない。でも僕らは目標に近づいている。外から見ると分かりづらいかもしれないが、僕らは常に改善を成し遂げているんだ。本当にね」
ダニエル・リカルド 決勝=8位
「今日は不満の残る一日だった。1周目にポジションを落とすのはいいことじゃない。スタートの蹴り出しはよく、今シーズンではうまくいった部類に入るスタートだったけれど、イン側のケビン(・マグヌッセン)の方がよかった。僕はアウト側をキープしようとしたが、それは間違いだった。コーナー出口でロスがとても大きくなるんだ。そのためにロングストレートで順位を落とす結果になった。元々ロングストレートでは苦しんでいたけれど、コーナーの立ち上がりでうまくやれないとさらに辛くなる。そういうわけで自分自身にがっかりしている。イン側に切り込んでもっとうまくやる方法があったかどうか、これから調べてみる必要がある。その後、プッシュして前のグループに追いつこうとしたが、十分な速さがなかった。最後の最後にフォース・インディアを抜くことができた。最終ラップでオーバーテイクを成功させたことで小さなスマイルを浮かべることはできるけれど、それ以外は本当に残念なレースだった。僕は一日を通して何もいい仕事ができなかった。自分は何かやるべきだったと思っている」
ニコ・ヒュルケンベルグ 決勝=9位
「すごく厳しいレースだった。予想以上に苦労したね。マシンバランスに苦しみ、それがペースを損ない、タイヤの摩耗にも影響した。この順位にとどまったのは、全体的にペース不足だったからだと考えている。チェコ(ペレス)の方が間違いなくレースペースがよかった。彼は異なる戦略で走っていたのは確かだが、なぜペースに差があったのか理解する必要がある。でも今回もポイントを獲得できてよかった。ファイナルラップの(ダニエル・)リカルドとのバトルなど、いい戦いもできた。彼を前に出すまいと必死に戦ったけれど、彼の方がタイヤで有利な状態だったので、押さえ切ることができなかった」
キミ・ライコネン 決勝=10位
「何とかパフォーマンスを向上させようと違う方向性を試したものの、今回のレースでもとても苦労した。残念ながら期待していたような改善はもたらされず、またマシンのハンドリングと格闘することになった。スタートでひとつ順位を上げたけれど、早くも2周目でブレーキのオーバーヒートの問題が起き、ペースを落とさなければならなかった。最初のピットストップの時点でタイヤは完全に終わっており、インラップだけでふたつポジションを落とした。間違いなくもっと早くピットストップを行うべきだった。シーズン序盤と比べれば進歩は表れているが、まだ上位を争えるような速さはないから、やるべきことは多い」