今週末のスペインGPで人種的差別ともとれる行為が確認され、昨年、サーキット・デ・カタルニアで問題となったルイス・ハミルトンへの差別問題が再燃、これによりスペインでのF1グランプリが再びカレンダーから脱落する憂き目にあっている。
2008年2月のオフテストで、顔を黒く塗った一部のファンが「ハミルトン一家」とプリントされたTシャツを着て騒ぎとなり、これを問題視したFIAがサーキット側に処罰を与える寸前まで事態は発展、大きな物議を醸していた。
その悪態が今週末に再び繰り返されたとしてにわかに問題となっている。レース直前、顔を黒く塗ったファンのひとりを英国BBCのテレビが映し出しており、昨年、黒人初のF1チャンピオンとなったルイス・ハミルトンを指し示すようにマクラーレン-メルセデスのステアリングを指さしている姿が確認されている。またこれに輪をかけるように、周囲にいた観衆もその人物を励ますような素振りを見せていたという。
これを目撃した解説のデイビッド・クルサードは、「これは見るのによいものではない」とコメント。かつてF1チームを率いた経験を持つエディー・ジョーダン氏も、「カタルニアはチームやドライバー、ファンにとって親しみのあるサーキットだったが……、過去の件は今も執行猶予中であるはずだ」と疑問を投げかけている。
これに対し責任を問われる立場となったサーキット側は事態を考慮しつつも、「制裁が科せられた場合には、問題の大きさにかかわらず、出来事を引き起こした人々に対する法的行為をとることを考慮するかもしれない」としている。
なお、BBCのホームページには現在、問題と思われるファンの画像が掲載されている。