2009年F1第14戦シンガポールGPの決勝が終了し、表彰台に上った3人のドライバー、ルイス・ハミルトン、ティモ・グロック、フェルナンド・アロンソをはじめ、各ドライバーたちが、それぞれのレースについて語った。

2009年F1第14戦シンガポールGP日曜日ドライバーズコメント

1 ルイス・ハミルトン(マクラーレン) 決勝1位
最高の週末を完璧な形で終えることができた。どのドライバーにとってもこのレースは身体的にすごくタフだったけれど、僕にとっては問題のないレースだったよ。スタートをうまく決められたし、後ろのドライバーたちよりピットストップが遅いことも分かっていたから、その間の時間をうまく生かすことができたんだ。そういう風にとてもうまくコントロールすることができたレースだった。チームは無線でKERSの小さなトラブルについて連絡してきたけれど、走っている僕としては全く問題なかった。いったん無効にして、その後また有効にしたら、その後は好調に作動したよ。僕らはいい結果を期待してここに来た。僕としてはモンツァの最終ラップの埋め合わせがしたかった。それを僕らはやってのけたんだ!

2 ヘイキ・コバライネン(マクラーレン) 決勝7位
スタートからフィニッシュまで全く問題がなかったし、とても快適に走ることができた。でもこれ以上速く走ることはできなかった。これがこのマシンで走れるペースだったんだ。タイヤのパフォーマンスを維持するのに少し手こずっており、ペースを上げたらマシンの調子が崩れてしまう。だから、コーナーでのスピードをこれ以上は上げることはできないんだ。今の僕の目標は、もっといい結果が出せるように、マシンをもっと僕向きにすることだ。チームとしては、このレースでたくさんのポイントを稼ぐことができた。なによりも、僕らのマシンパフォーマンスは週末を通して素晴らしかった。ルイスが勝ったことで、間違いなくパフォーマンスが高いことが分かる。でも、僕は昨日の予選でとてもツイていなかった。その時点で僕の週末は台なしになっていたんだ。

3 ジャンカルロ・フィジケラ(フェラーリ) 決勝13位
肉体的にも精神的にも、とても厳しいレースだった。フェラーリの基準に届くスピードを出すことができなかったので、これについて調査する必要がある。グリップがなくて、コースオフせずに走り続けるのが大変だった。最後にソフト側のタイヤを履いたらマシンのハンドリングが向上し、何度かいいラップタイムを出すことができた。スーティルの後ろに引っかかっていたので、渋滞から抜け出せるよう、最初のピットストップを早めた。そしたらセーフティカーが出動したために、この判断が期待したような結果をもたらさなかった。ここではモンツァよりもKERSの効果が高くなかった。スタートで一台のマシンを抜いて、あとは主にポジションを守るために使っていた。次は鈴鹿だ。あそこは本物のサーキットだ。今年はあるレースで強かったマシンが次のレースでは弱いといったことが起こっているから、予想をするのは難しいね。

4 キミ・ライコネン(フェラーリ) 決勝10位
これが精いっぱいだった。マシンはずっとスライドしっぱなしで、グリップもなかった。最終スティントでソフト側のタイヤを履いたら、状況は少し改善されたけれど、その時にはもう遅すぎた。ナカジマの後ろについて、何度かリスクを冒して追い抜きをかけようとしたけれど、ここでは前のドライバーがミスをしない限りはオーバーテイクをするのはほとんど無理だ。来週の鈴鹿でこの状況が大きく変わるとは思わない。あそこは、空力の面でマシンへの要求がとても高いコースで、僕らはその部分で力が足りないからね。それでも僕はベストを尽くすよ。

5 ロバート・クビカ(BMWザウバー) 決勝8位
とてもタフなレースだった。セーフティカーのタイミングは僕にとってはとてもツイていなかった。セーフティカーが出動する少し前に給油してしまっていたので、ふたつほどポジソンを落とした。それに加えて、いろいろとトラブルを抱え、リヤタイヤにデグラデーションが出た。その結果、スティントの最後の10~15周のペースがとても遅くなり、特に最終スティントではポジションを守るために必死に戦わなければならなかった。この1ポイントは、僕の人生の中で最も苦労して獲得したポイントだと言えるよ。

6 ニック・ハイドフェルド(BMWザウバー) 決勝リタイア
僕の意見では、あれは明らかにエイドリアン・スーティルが悪いね。当然、当事者としてコース上で見たし、後でビデオでも見た結果、そう思う。彼はスピンして後ろ向きになり、そのままコースに戻ってきて、まっすぐ僕のマシンに突っ込んできたんだ。あんなことしてはだめだ。僕はあのアクシデントを避けることなどできなかった。僕は燃料をたくさん積んで最後尾を走っていた。後方集団のスピードはすごく遅かったから、かなり序盤から燃料をセーブし始めた。どっちにしてもオーバーテイクは不可能だったからだ。今日は僕のレースがうまくいくチャンスはほとんど期待できなかったけれど、それでもあんな馬鹿げた事故のせいで完走できないなんて、やっぱりムカつくよね。

7 フェルナンド・アロンソ(ルノー) 決勝3位
チームにとって素晴らしい結果だ。これによって僕らはこの数週間のことを過去のものとし、前向きになることができる。スタートをうまくきめて、レースを通してとてもいいペースで走ることができた。いい戦略を実行し、堅実なレースをした結果、この3位を手に入れることができた。エンストン、ビリー、そしてこのサーキットに来ているスタッフ全員が素晴らしい仕事をしてきて、それが今日報われた。これで鈴鹿にポジティブな気分で向かえるよ。

8 ロメイン・グロージャン(ルノー) 決勝リタイア
僕にとっては期待はずれの週末だった。マシンが不調で、レース前には解決できたと思っていたブレーキトラブルが再発してしまったんだ。スタートはうまくいき、オープニングラップを好調に走っていたら、ブレーキが壊れるのを感じた。それでチームにリタイアするよう言われたんだ。この夜のコースを楽しく、快適に走っていたのに、ものすごくがっかりだ。来週の鈴鹿に向けて頑張ってマシンの調子を立て直さなければならない。

9 ヤルノ・トゥルーリ(トヨタ) 決勝12位
本当にタフで、僕にとって、あまりうまくいかなかった。トラフィックから抜け出し、最初のピットストップに入った際に、セーフティカー導入となり、良くないタイミングだった。今週末を通じ、トラクションが得られず、競争力を示せなかった。しかし、ティモが2位を獲得したことは、貢献してくれたチームの皆にとって、とてもすばらしいことだ。ティモはすばらしいレースをして、表彰台を獲得できたことは喜ばしい。コンストラクターズポイント争いでも、プラスになるよ。

10 ティモ・グロック(トヨタ) 決勝2位
とても良い週末になり、チームにとってはこれまでの努力が報われたようだ。うまくいった予選の後、決勝ではリズム良くペースをつかむことができ、チームと自分自身の両方にとって本当に嬉しく思う。1周目でフェルナンドの前に出ることが重要だったが、スタート直後にそれができなくて残念だった。フェルナンドがマークと争っているのが見えたので、そこに飛び込み、パスすることができた。それが功を奏し、その後は、僕らの戦略がうまく機能した。これが今日のレースの鍵だ。レース中ずっと、とにかくスピードに集中し、ミスひとつ起こさなかった。日本GPを控えたチームにとって、本当に素晴らしい結果だ。メカニック、エンジニア、そしてケルンと日本で働く、チーム全員にとって大切なことだ。新しいパッケージを積んだクルマは今日好調だったので、鈴鹿でもまた競争力を発揮できると思う。

11 ハイミ・アルグエルスアリ(トロロッソ) 決勝リタイア
これ以上うまくやるのは今日は難しかった。決勝は、コースのコンディションも気温の面でも、ものすごくタフだった。自分のペースで走っていたら、ブレーキトラブルでストップせざるをえなくなった。次は鈴鹿だ。あそこではもっとうまくやって、テクニカルトラブルなしに完走を果たしたい。

12 セバスチャン・ブエミ(トロロッソ) 決勝リタイア
スタートはうまくいき、キミを抜いた。好調に走っていたが、最初のスティントの終盤にタイヤにデグラデーションが出てきた。最初のピットストップはうまくいって、僕は12番手でコースに復帰した。その後セーフティカーが出て、全車が連なって走ることになった。僕はまたキミの後ろになったが、必死にプッシュした。でも2回目のピットストップで全く燃料が入らないという大きなトラブルが発生した。それで改めてピットインしなければならなかった。最終的にはギヤボックスにトラブルが出たために、ストップせざるをえなくなった。いい結果が出せたかもしれないレースで信頼性の問題が発生してしまい、ものすごく残念だ。

14 マーク・ウエーバー(レッドブル・レーシング) 決勝リタイア
ブレーキトラブルが疑われていたので、ピットストップをした時にチームが目で見てチェックした。僕には続行するのが妥当だと思えたけれど、その後トラブルが出てリタイアすることになった。チームの皆はやれるだけのことをやってくれたよ。彼らが僕をリタイアさせようとする直前にトラブルが起きたんだ。残念だった。ストリートコースではだいたいそうだが、1周目はかなり激しい戦いがあった。ターン7でフェルナンドとバトルになって、ふたりともワイドになった。9周後、フェルナンドを前に出さなければならなくなったのだが、あいにくその時にはグロックが間にいたので、僕はふたりとも前に出さなければならなかった。それがその後のレースにかなり大きなダメージを与えることになった。僕としてはあの時のことはフィフティ・フィフティだと思っていたけれど、スチュワードは、フェルナンドとグロックを前に出さなければならないという決定をしたので、僕はファーストスティントの間の努力を無駄にすることになった。あれは厳しいペナルティだと思う。キミもスパで同じようなことをやっているが、彼にはペナルティは科せられなかった。今週末ガレージで頑張って働いてくれたスタッフたちに感謝したい。彼らは本当に素晴らしいよ。だからこそ僕らはコンストラクターズ選手権で2位にいるんだ。僕らがいいポジションで今年を終えられるよう、祈っているよ。

15 セバスチャン・ベッテル(レッドブル・レーシング) 決勝4位
グリッドがコースの汚れた側だったから、スタートはあまりよくなかった。それでもとてもいいレースをやっていたのに、ドライブスルーペナルティを受けてしまった。なぜ自分がペナルティを受けたのか、少し疑問なんだ。あの段階で僕はプッシュする理由はなかった。ルイスの方がピットストップが後だったから、ピットストップで僕らが彼の前に出ることはできないと分かっていたからね。だから無線で知らされた時にはびっくりしたよ。ブレーキが限界だったから、渋滞の中にいるときには、通常より早くスピードを落としてよりスムーズにブレーキングしていた。時々、プッシュする前に、少し休ませて冷やしたりしなければならなかった。マシンの様子をずっと気にしていなければならないんだ。選手権に関しては、この数年を振り返ると、いろいろな決着の仕方があることを歴史が示している。どう転ぶか分からないんだ。今後のレースでの僕らのアプローチはシンプルだ。ポールポジションを獲りに行って、優勝を狙う。すごく単純だよ。

16 ニコ・ロズベルグ(ウイリアムズ) 決勝11位
今日の結果にはものすごくがっかりしている。ピットレーン出口でブレーキングを遅らせすぎて白線を踏むという、不必要なミスを犯した。その後、セーフティカーが最悪のタイミングで出動した。ドライブスルーペナルティを受けた時、2位にはなれないと分かり、その上残りのレースを後方で走らなければならないと知って、チームのことを考えても、最悪の気持ちになった。今週末チームは僕にこれほど素晴らしいマシンを与えてくれて、どこよりも開発のために力を注いでくれている。日本ではこれを最高のアドバンテージとして利用しようと決意を固めているよ。

17 中嶋一貴(ウイリアムズ) 決勝9位
大変なレースだったが、自分に可能な最高の仕事をしたと思う。それでも全くポイントを獲れず、がっかりしている。最終スティントで、前のマシンがタイヤに手こずっていたので、チャンスがありそうに思えたけれど、前のマシンに集中しなければならないのと同じくらい、後ろのマシンに抜かれないように気をつける必要があったから、そのバランスをうまくとるのが難しかった。ここではマシンはとてもよかったので、日本でもこの調子を保てれば嬉しいね。

20 エイドリアン・スーティル(フォース・インディア) 決勝リタイア
僕らは1回ストップで燃料をたっぷり積んでいたので、スタートは本当にフラストレーションがたまったよ。でもハイミがものすごく遅くて、マシンに手こずっていて、僕はずっと彼におさえられてしまった。何度か彼を抜こうとトライして、ようやくチャンスを見つけた。それでやってみたのだけれど、うまくいかなかった。少しブレーキングが遅れてスピンして、それでああいうことになった。そこにニックがコーナリングしてきて、コーナーでスタックしている僕のフロントウイングにヒットした。動き出した時には彼が来るのが見えなくて、対処することができなかったんだ。でもこのことについては申し訳なく思っているよ。レースインシデントだけれど。このアクシデントの後、ブレーキにトラブルが発生して、リヤのプレッシャーが完全になくなって、走り続けるのは危険な状態になったので、ストップせざるをえなかった。鈴鹿ではもっとずっとうまくやれると思う。待ちきれないよ。大好きなサーキットのひとつだし、もっといい結果が出せるよう、心から願っている。

21 ビタントニオ・リウッツィ(フォース・インディア) 決勝14位
僕らにとって相当厳しい週末でありレースだった。最後列からのスタートだったから、序盤からとても困難な状況で、ポイントを狙うのはかなり難しそうだった。前にKERS搭載車が2台いたのもよくなかった。最初のふたつのスティントで僕はジャンカルロより速かったけれど、それでも彼を抜くことはできなかった。サードスティントでソフトコンパウンドを履いたら、リヤタイヤにひどいグレイニングが出来始めて、彼をつかまえることができなくなった。結局難しいレースになったけれど、今後のレースに向けては、より楽観的に考えているよ。

22 ジェンソン・バトン(ブラウンGP) 決勝5位
僕にとっていいレースだった。今日5位に入って4点稼ぐことができて満足しているよ。スタートでカズキの前に出ることができたのが大きかった。あれで僕のレースが決まったようなものだ。ファーストスティントは、僕は燃料をたくさん積んでいる状態でヘイキに引っかかっているのに、ルーベンスはどんどん先に行ってしまって、かなりイライラしたよ。その後セーフティカーが出たために、状況はかなり難しくなった。僕はまだあと2周走れるだけの燃料を持っていて最初のピットストップでふたつ順位を上げられるはずだったんだ。2回目のピットストップの前に、ルーベンスに近づくために何周か飛ばさなければならなかった。その後はセバスチャンをとらえようとしてプッシュしたけれど、ブレーキをセーブするために5位を守ってフィニッシュすることを決めた。今週末は思っていたようにはいかなかったけれど、今日は11番グリッドからポイントを獲れたのでよかった。とてもポジティブな気持ちで明日、日本に向かうよ。次のレースを楽しみだ。

23 ルーベンス・バリチェロ(ブラウンGP) 決勝6位
僕にとっていろいろなことがあった週末で、今日のレースもタフだった。とてもいいスタートをきめて、ふたつ順位を上げ、ファーストスティントは順調に進んでいた。セーフティカーのタイミングが僕にとって有利じゃなかったのは残念だったけれど、それでもいいポジションにいた。でもツイてないことに2回目のピットストップでトラブルが発生した。ニュートラルにエンゲージできなくてエンジンがストールし、そのせいでジェンソンの前のポジションをキープするための貴重な時間をロスした。その後、ブレーキの調子が悪くなり、戦うことができなくなったので、6位でフィニッシュすることになった。本来ならもっといい週末を送れたかもしれないけれど、ありとあらゆることが起こったにもかかわらず選手権でジェンソンとの差は1ポイントしか開かずに済んだ。だから今もポジティブな気持ちは変わっていないよ。

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