アジアン・ル・マン・シリーズの初めてのレースとなる岡山でのレース1が31日行われ、上位3台が僅差で争う展開になった3時間の決勝レースをソラ・レーシングの17号車ペスカローロ・ジャッド(クリストフ・ティンソー/中野信治組)が制し、初のウイナーとなった。

 快晴の下迎えた記念すべきアジアン・ル・マン・シリーズ初のレース、岡山でのレース1。12時30分にフォーメーションラップがスタートし、ポールポジションの87号車ローラ・クーペ・ジャッドを先頭にル・マン・プロトが一斉に1コーナーへ飛び込むスポーツカーファン垂涎のシーンで火ぶたが切って落とされた。

 LMP1クラスは序盤、ドライソンの87号車ローラ・クーペ・ジャッドが快調に飛ばし、2番手の10号車オレカ・エイムをリード。10号車の後方には007号車ローラ・アストンマーチンが続き、17号車ペスカローロ・ジャッドが一団に。いったん距離が離れ始めるが、ラップダウンが出ると再び差が縮まり、2番手争いは緊迫の展開となった。

 その前方でトップを走っていたドライソンの98号車だったが、20周目にピットイン。ここで給油を行うが、フロント部になんらかのトラブルを抱えていたようで、フロントカウルを交換。2周のビハインドを背負ってしまうことになる。

 これでトップにはオレカ10号車が浮上するが、すぐ背後には007号車ローラ・アストンマーチン、17号車ペスカローロ・ジャッドがピタリとつける展開になる。1回目のルーティンストップが41周目前後で終了すると、007号車ローラ・アストンマーチンがトップに浮上するが、それでも007号車の背後にピタリと10号車がつけ、17号車も僅差で続く展開が続いた。

 2回目のストップでも上位3台は1周ごとにタイミングをずらしてのピットインとなったが、10号車オレカはニコラ・ラピエールからロイック・デュバルに交代する際に一瞬エンジンがかからず、ミスなく作業をこなした007号車ローラ・アストンマーチンがトップに浮上! 17号車ペスカローロ・ジャッドが2番手、3番手に10号車オレカ・エイムとなった。

 しかし、チェッカーまで残り30分を切って、007号車ローラ・アストンマーチンのフロントフェンダー上のルーバーが外れ始めてしまい、それを修復するために007号車はピットへ! これで17号車ペスカローロ・ジャッドがトップに浮上し、そのまま10号車を振り切りチェッカー! クリストフ・ティンソー/中野信治組が嬉しい優勝を成し遂げた。2位は10号車オレカ・エイム、3位は15号車アウディR10 TDIとなった。

 LMP2クラスは、24号車OAKレーシングのペスカローロ・マツダが28号車クラージュAERを寄せ付けず独走優勝。マツダの地元に近い岡山での勝利に湧いた。

 LM-GT1クラスは、スタートから50号車ラルブル・コンペティションのサリーンS7Rのペースが上がらず、GT2クラスを含めてのバトルが展開される。その中で、後方から猛烈に追い上げてきたのは最後尾スタートを強いられたヒトツヤマ・ノバのアストンマーチンDBR9。土屋武士のドライブでGT1全車を6周目に抜き去ると、快調なペースで後続を引き離しにかかる。

 50号車ラルブルはその後ペースを落とし、68号車JLOCのランボルギーニ・ムルシェラゴとバトルになるが、68号車はトラブルでストップ、50号車もスピンを喫しその後クラッシュ。レースはJLOCの69号車ランボルギーニ・ムルシェラゴと61号車アストンマーチンDBR9のバトルになる。

 ピット作業の間隔を広げた69号車ムルシェラゴが終盤までリードを築くが、61号車アストンマーチンも追い上げ、終盤には4秒程度までその差を縮めるも、終盤は69号車が逆にその差を広げトップでチェッカー! ムルシェラゴにとってはスーパーGTでの勝利以来の優勝となった。

 LM-GT2クラスは、序盤フェルバーマイヤー・プロトンの77号車ポルシェ997 GT3RSRがリードするが、それにピタリと追走したのがレイホール-レターマン・レーシングの92号車BMW M3。この2台による激しいバトルが序盤を大いに盛り上げた。

 このバトルは両者がピットインするまで続いたが、1回目のストップを終えた頃には77号車ポルシェが92号車BMWを大きく引き離し10秒程度の差を築いた。しかし、再びコース上でその差が縮まり、78周目のバックストレートエンドで92号車BMWが77号車ポルシェをオーバーテイク! その後、ルーティンのタイミングを遅らせた92号車が77号車に10秒以上のリードを築くが、チェッカー間際になって再び2台はテール・トゥ・ノーズ! しかし、92号車BMWがそのまま踏ん張り優勝! 2位は77号車、3位にはファーンバッハー・レーシングの89号車が入った。

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