世界ラリー選手権(WRC)に参戦するヒュンダイは、2016年シーズンの“ノミネートドライバー”にダニ・ソルドを選択した。また、チーム代表のミシェル・ナンダンはこの決定がチーム内の不和に繋がることはないと語っている。
FIAはレギュレーションでWRCにマニュファクチャラーとして参戦するチームに対し、少なくとも今季10戦に出場するドライバー1名を登録するよう定めている。この規則に従い、ヒュンダイは昨シーズン、チーム内で最も好成績を収めたティエリー・ヌービルではなく、ソルドを登録した。
ヌービルは2016年もチームに残留するものの、最終戦ラリーGBでワークスチームを外されたことなどに不満を抱いていると報じられており、今回の決定により関係がさらに悪化するのではないかとみられている。
ナンダンは取材に対し、「どのドライバーを選出していても、その判断を快く思わない人々は色々と噂を流すだろう」と応じている。
「我々のチームにナンバーワンドライバーは存在しないことを改めて強調したい。最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、すべてのラリーで全ドライバーを公平に扱っていく」
チーム関係者からは昨年のラリー・イタリアでヌービルを上回り2位表彰台を獲得したヘイデン・パッドンをノミネートするべきだという声も挙がっているが、ナンダンはソルドの経験が最も重要であると語った。ソルドはこれまでWRCに128戦出場しており、ヌービルの58戦、パッドンの47戦を大きく上回る経験を持つ。
「我々のドライバーラインアップのなかで、ダニが最も経験豊富なドライバーで速さと安定性を兼ね備えている。マニュファクチャラータイトルを念頭に考慮した場合、彼をノミネートすることが最善だと判断した」
「ただし、このノミネートから外れたからといって、ティエリーやヘイデンが今季の全14戦に出場しないわけではないし、チーム内での評価が低いわけでもない」
「ほとんどの人は、このトピックについて大げさに考えすぎていると思う。我々はただFIAのレギュレーションに従っただけだよ」