タイヤから見た韓国グランプリ
P Zeroレッド・スーパーソフトにとってタフなチャレンジ
2012年韓国グランプリ:10月12日-14日木浦
グランプリ概要:
ピレリがP Zeroイエロー・ソフトとP Zeroレッド・スーパーソフトコンパウンドを持ち込むヨンアム・サーキットは、多様なスピードとコーナーをその特徴としているため、ピレリのタイヤレンジで最も軟らかいスーパーソフトにとって、ここは最も厳しいサーキットのひとつと言えます。前レースの鈴鹿と同様の高速コーナーとともに、モナコを思い起こさせるようなセクションも存在し、タイヤ性能のあらゆる面が徹底的に試されることになります。
このサーキットはあまり使用されていないため、比較的粗い路面ではあるものの、レース週末を通じてレーシングラインにラバーが乗るにつれ、路面は大幅に改善します。ヨンアムは半常設のサーキットで、ハーバーサイドは通常は一般道路として使用されています。したがって、グリップレベルが変化することも厳しさのひとつです。韓国でのレース週末は不安定な天候状態に見舞われることもあるため、Cinturatoグリーン・インターミディエイトとCinturatoブルー・フルウェットタイヤが登場する可能性もあります。
ヘビーブレーキングは韓国グランプリの特徴のひとつです。ターン3手前のブレーキング時、マシンには5.2Gの減速Gがかかります。荷重の移動が伴い、フロントタイヤには900kg以上に相当する負荷が課せられます。
タイヤにとって最も厳しいところは、急速な方向転換を伴うコーナーが連続するターン10〜17のセクションです。シーズン中でも数少ない反時計回りのサーキットであるため、コーナーを通過時に必要な全てのメカニカルグリップを提供しなければならない右フロントタイヤに最も大きな負荷がかかります。高いレベルのアドヒージョンを生み出す際に、スーパーソフトコンパウンドが特に効果的であることを示すでしょう。
ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター
ポール・ヘンベリーのコメント:
「今年も昨年と同じコンパウンドの組み合わせを韓国に持ち込みます。スーパーソフトを使用するサーキットの中で最も大きな横荷重が韓国には存在するため、昨年のグランプリ時点では、非常に大胆なタイヤ選択と思われました。結果的には、スーパーソフトは10周以上、ソフトは20周以上走行し、大半のドライバーが2ストップ戦略を実行できました。しかし、今年の我々のFormula Oneタイヤは、昨年から変わっていないスーパーソフト以外は全体的に軟らかくなっています。今年も2ストップのレースが見られると思います。そして理論的には速くなるはずですが、空力レギュレーションの変更によって、今シーズンの各マシンのラップタイムは昨年よりも遅くなっています。昨年は戦略が重要な役割を演じましたが、セーフティーカーの登場やレース週末序盤の雨もありました。したがって、今年も韓国では何が起きても不思議ではありません。いつものように、豊富なデータを収集し、急速に変化する状況に適応できるチームが大きな成功を掴むことができるでしょう」
ピレリ・テストドライバーのコメントハイメ・アルグエルスアリ:
「韓国は好きなサーキットのひとつだ。特に昨年、ニコ・ロズベルグをファイナルラップで抜いて自己ベストとなる7位でフィニッシュしたところだからね。コースレイアウトが素晴らしく、個人的にはFormula Oneカレンダーの中でベストなレイアウトのひとつだと思っている。高速と中速のコーナーが混在していて、マシンのダウンフォースレベルはそれほど高くない。また、路面はスムースで数か所のオーバーテイクポイントもある。タイヤの観点では、気候が涼しく湿度が高いのでタイヤにはそれほど厳しくない。昨年は2ストップを実行した。デグラデーションも低いと思われるので、今年も2ストップになると思う。サーキットには3つのヘビーブレーキングエリアがあって見応えのあるレースが展開されるだろう。韓国のサーキットには、完璧なFormula Oneショーを見せてくれるポテンシャルがあると思う」
テクニカルノート:
・各チームによる韓国用の空力セットアップは日本用と非常に似ていて、ミディアムレベルもしくはハイレベルのダウンフォースセットアップである。しかし、トラクションの要求は日本よりも非常に高い。したがって、各チームは、低速コーナーからの出口でパワーを与える異なるエンジンマップを使用する。
・韓国では、特にグリップレベルが低いレース週末序盤、グレイニングのリスクがある。グレイニングは、マシンのスライドが多発することにより発生し、トレッド表面が不規則な波上の摩耗状態となり、タイヤ性能に影響を与える。
・スタート直後に長いストレートがあるため、ラップ前半にタイヤを効果的に温めることが難しい。タイヤが温まっていない状態でタイヤに大きな負荷をかけることは、グレイニングやコールド・クラックを発生させる理由となる。
