フェラーリのシャシーディレクター、パット・フライは、フェラーリはピレリのハードタイヤで苦労する原因をつきとめつつあると考えている。
今季フェラーリはハードタイヤで速さを発揮できずにいる。スペインGPでフェルナンド・アロンソは、レース序盤ソフトタイヤでレースをリードしたものの、終盤ハードタイヤに交換してからはペースが落ち、結局リーダーたちから1周遅れでフィニッシュする結果になった。
フェラーリはこの問題に取り組んでおり、改善の見込みが出てきたとフライは述べている。
「コースの特徴とそこで使用するタイヤを見る必要がある」とフライはフェラーリの公式サイトのビデオインタビューで語っている。
「バルセロナは非常にチャレンジングなコースだ。ダウンフォースとマシンバランスが重要で、タイヤの温度を十分に上げる必要がある」
「ハードタイヤを機能させるのはとても難しい。小規模チームの一部はハードタイヤを全く機能させることができなかった。そのためにマシン間のスピード差が大きく、それはタイヤが硬いほど顕著になる」
「先週我々はいくつかのことに取り組み、理解を得た。ハードタイヤにおける問題を大きくする特別な問題を見つけた。それを理解できたことを願っている。この問題を解決するためにずっと取り組んできたのだ」
フェラーリは今週末のカナダGPにいくつかの新パーツを持ち込む予定で、フライはそれによってパフォーマンスが向上することを期待している。
「通常のアップデートの流れだが、いくつか異なるパーツを持ち込む。ディフューザーの小さいパーツをいくつかとリヤウイングのパーツをいくつか導入する。すべてが予定どおりいけば、そこそこのパフォーマンス向上が期待できる」
「さらに他チームとのギャップを縮められればと思う。モナコとカナダの間はそれほど時間がなかったが、コース特性は空力面で比較的異なっているので、この手のサーキットのためのリヤウイングを持ち込む。これはマシンにダウンフォースをつけるための通常の手段だ」
フライは、今年のカナダは昨年よりはタイヤに苦労しないで済むだろうと予想している。
「チャレンジングなレースになるのは間違いない。トラクションとブレーキングが重要なモナコに多少似ていると思う。モナコと比較してもここでのブレーキングは厳しい。トラクションとコーナー出口でマシンがどうタイヤを使うのかが、リヤタイヤの磨耗具体に大きく影響する」
「これまでと同じふたつのコンパウンドだが、これらは少し硬いので去年より少しは苦労せずに済むと思う」