2009年F1第16戦ブラジルGP土曜に行われた予選で、ポールポジションを獲得したブラウンGPのルーベンス・バリチェロをはじめ、各ドライバーたちが、それぞれのセッションについて語った。

2009年F1第16戦ブラジルGP土曜日ドライバーズコメント

1 ルイス・ハミルトン(マクラーレン) 予選18位
今日は僕が記憶する中で、最も酷い予選と言ってもいいものだった。クルマのフィーリングは僕にもヘイキにも全く良くなくて、ストレートで全開にすることすらできなかった。それくらい、グリップが少なかったんだ。がっかりするようなパフォーマンスだったけど、ベストは尽くした。プッシュしようとして終盤はほんの少しコースオフまでしてしまい、クルマがコントロールできなかった。僕らはドライのセッティングで走っていたから、ウエットで走るには堅すぎたんだよね。それに他の何台かと比べると、こういったコンディションではダウンフォースの不足がより目立ってしまった。明日は太陽が出て、ポイント圏内で戦えるようになることを願っている。だけど18番手からのスタートは、本当に不利だよ。

2 ヘイキ・コバライネン(マクラーレン) 予選17位
今まで経験したレースウイークエンドの中でも、最も酷い天候と言っていいくらいだった。ウエットでのドライは好きだけど、今日はハイドロプレーニングが酷くてコース上に留まって走り続けるのが本当に難しかった。さらに他のクルマの水しぶきで、走行中の視界が非常に悪かったんだ。この結果は僕らにまだダウンフォースが足りないことを示している。つまりこれ以上速く走ることなどできなかったんだ。明日は違ったコンディションになって、セッティングが適したものになればいいな。

3 ジャンカルロ・フィジケラ(フェラーリ) 予選20位
予選がスタートした時、コンディションはほとんど走行不可能な状態だった。それほど速く走っていなかったにもかかわらず、最終的にスピンしてしまった。あそこはコース上が水浸しになっていた場所だったんだ。ステアリングを切ったらエンジンカットのスイッチを触ってしまい、それで僕の予選は終わってしまった。キミのパフォーマンスを見ても分かるように、クルマはウエットで調子が良かったから残念だ。彼がたくさんのポイントを持って帰ってくることを願っているけれど、最後列スタートの僕には難しいだろうな。現状では何もかもが悪い方に向かっているみたいだ。フェラーリのような大きなチームで自分の価値を証明したいと強く願っているのに、本当に悲しい。明日からは運が僕に向いてくるといいな。これまではそうじゃなかったから。

4 キミ・ライコネン(フェラーリ) 予選5位
全体的に見て、この結果を嬉しく思っている。エクストリームウエットタイヤで僕たちは非常にコンペティティブだったし、もしこのタイヤを使うコンディションがもっと続いていれば、5番手より上で終われただろうと実は思っている。しかしインターミディエイトタイヤはベストな性能を引き出すのが難しく、クルマは運転しづらくなってしまった。明日も雨が降ったら、とても厳しくなるだろう。なぜならここでは他のクルマの後ろに着くと前が何も見えなくて、状況が本当に困難になってしまうからね。今日、予選をディレイにしたのは正しい決断だったと思う。少なくともただコース上に留まっていようと努力することしかできないコンディションではなく、許容範囲のコンディションで走ることができた。F60の調子は良かったよ。グリップが足りないのは分かっているけれど、これはシーズンの初めから僕たちが持ち続けている問題だ。

5 ロバート・クビカ(BMWザウバー) 予選8位
予選のコンディションは本当に難しかった。コース上のあるポイントではすごい量の水が溜まっていて、クルマはほとんど運転が不可能だった。幸運なことに中断の後、状況は少し改善していた。僕らは比較的低いダウンフォースで走っていて、それはこのようなコンディションでは当然ながら細心の注意を要した。驚いたことにクルマは路面が非常に濡れている状態ではかなりコンペティティブで、水が少ないと運転しづらかった。アンダーステアが酷かったんだ。クルマはドライ用にセッティングしてあったから、明日の天候がどうなるかを気にかけていないとね。

6 ニック・ハイドフェルド(BMWザウバー) 予選19位
Q1でノックアウトされるなんて、もちろんとても悔しいけれど、単純にチャンスがなかったんだ。予選で雨が降ることは確実に分かっていたから車高を上げたけど、コース上の水の量に対して十分じゃなかった。F1カーはタイヤだけでなく、マシン底面からもハイドロプレーニングの問題が発生するんだ。運転しているというより泳いでいるようだったよ。Q1の終わりで新品タイヤに交換した時、コンディションがさらに悪くなって、どうにもならなかった。

7 フェルナンド・アロンソ(ルノー) 予選10位
僕が今まで出た予選の中で、最も長いセッションだった! 天候のおかげで面白かったけど、クルマにはこれより上のグリッドにつけられるだけのペースがなかった。明日も気まぐれな天気になったら、レースに影響が出るだろうね。そしてそういった状況で正しい時にきちんと対応できれば、順位を上げることができる。そのために必ずベストを尽くすよ。

8 ロメイン・グロージャン(ルノー) 予選13位
Q1の雨はとても酷かったけど、クルマにはとても満足できた。状況はどのドライバーにとっても同じだったし、僕はその中でうまくやれた。残念ながら、Q2ではトラックが乾き始めていたもののインターミディエイトに履き替える時間がなく、このセッションは同じウエットタイヤを使い続けた。午前中のアクシデントの後、素晴らしい仕事でクルマを直してくれたメカニックたちにもお礼を言いたい。

9 ヤルノ・トゥルーリ(トヨタ) 予選4位
非常にハードな予選だった。Q1ではあちこちでハイドロプレーニング現象が起こるという酷いコンディションだったので、ただクルマをトラック上にキープすることだけを考え、その上でできる限り良いラップタイムを出すようにした。とても厳しい予選で、重要なのは集中し続けることだった。とにかくセッションを無事に終えることが大事だったからね。Q2とQ3では状況はずっと良くなり、クルマも好調に走ったから僕も懸命にプッシュできた。適切なタイヤで、速いラップタイムをいくつか出せたので良い予選となり、セカンドローからのスタートはとても嬉しい。日本GPでのようにまた表彰台を獲得できたら最高だと思うから、ベストを尽くしたい。

10 小林可夢偉(トヨタ) 予選11位
F1の予選は初めて体験したけれど、非常に難しいセッションだった。ラップ毎に状況が変わり、ハイドロプレーニング現象がよく起きる、とても厳しいコンディションだった。このコースは初めてで、更にこんな悪条件だったため走行は簡単ではなかったものの、クルマの調子は良かった。Q2終盤、最後のラップで小さなミスをして、トップ10入りを逃したのは残念だった。しかし全体的には、今日のような酷いコンディションの中で迎えた初めてのF1の予選で11位という成績は予想より良くて、嬉しく思う。明日のレースが楽しみだ。ポイントを稼げたら最高なので、そのためにベストを尽くしたい。

11 ハイミ・アルグエルスアリ(トロロッソ) 予選12位
悪くなかったし、結果にも満足している。路面がすごく濡れていて簡単にクラッシュしてしまいそうだったから、ミスをせずにトラック上に留まっていることが最優先事項だった。こういったコンディションでは視界は非常に悪いから、レースでは状況が改善することを願うよ。今日はベストを尽くせたと思う。Q3に進出するためにはインターミディエイトタイヤを使わなければならなかったけど、僕らはエクストリームを使い続けるという賭けに出た。どちらにしても最終的な結果はなかなか良かったよ。

12 セバスチャン・ブエミ(トロロッソ) 予選6位
6番手は僕の予選最高位だから、もちろん満足しているよ。困難な予選だったけど集中力を切らさないように、クルマから降りずにいた。明日の僕らの目標はポイントを獲得すること。だけどこんな天候では、どんなことが起きてもおかしくない。僕としては明日はドライになってくれた方がいいけれど、この週末ここまで、路面コンディションがどうであれ僕らは速いから、ウエットでもドライでも精いっぱい戦うつもりだよ。

14 マーク・ウエーバー(レッドブル・レーシング) 予選2位
特にQ1ではコンディションが本当に悪くて、大変難しいセッションだった。クルマは運転しづらかったけど、何とか走り抜いた。予選がリスタートした後、路面は少し改善されて、前よりコンペティティブに走れたんだ。最初コースに出たときは快適とは言えなかったけれど、その後グリップも得られてタイムも結構良くなった。Q3で僕はポールから3番手まで、トップ3の中で順位が何度も入れ替わった。ポールになれれば良かったんだけど、ミスをしてしまったんだ。こういった状況では完璧な6周をまとめることが難しかった。自分の走りにとても満足している。ガレージのみんなも素晴らしい仕事をしてくれたしね。ルーベンス、ホームでのポール獲得おめでとう。明日は彼に大変なレースをさせてあげよう。

15 セバスチャン・ベッテル(レッドブル・レーシング) 予選16位
満足してないし、すごくがっかりしている。もっと良い結果が出せたはずなのに、コンディションが難しかったんだ。いいタイムが出るコンディションになった時間帯があったのだけれど、渋滞に巻き込まれていてチャンスを活かすことができなかった。その後セッション終盤で前に誰もいなくなった時には、雨が酷く、路面も濡れすぎていたからタイムを更新するのは不可能だった。ここはスタートするのにベストな位置ではないし、僕らの目標はもっとずっと高いところにあった。だけどこういうこともあるし、受け入れなきゃならないよね。今日は僕らとしては何も欠けている部分はなかった。ペースが悪かったわけでもなくて、単にタイミングの問題だったんだ。

16 ニコ・ロズベルグ(ウイリアムズ) 予選7位
予選を通して、ウエットでは自分たちが最速だと分かって良かった。ただ残念ながら、インターミディエイトでは速さが十分ではなかったんだと思う。フロントタイヤを十分に暖めることができなかったためにタイヤがきちんと機能せず、最終的にそれがペースに影響した。それでも7番手は明日、力強いレースが期待できるポジションだよ。

17 中嶋一貴(ウイリアムズ) 予選9位
赤旗と走行再開までの時間が長くて、厳しい予選だった。クルマはウエットでとてもコンペティティブだったから、雨が降り続けてくれた方がうまくいったのかもしれないが、それでも僕らは何とか良い順位につけられた。ハンガリー以来のトップ10入りができたので、明日はいいレースができることに期待している。

20 エイドリアン・スーティル(フォース・インディア) 予選3位
トップ3に入るのはいつだって素晴らしい気分だよ。特にこんな厳しいセッションの後だとね。金曜日のドライではそれほど良くなかったから雨を望んでいたんだけど、これは降りすぎ! セッション中はずっと待機していなければならなくて、その間集中力も保っていなければならなかった。Q1は水がすごく、スピンしないよう注意を払わなければならず、明らかにエクストリームウエットのコンディションだった。Q2までは待ち時間がとても長かった。そのセッションではエクストリームで自己最速タイムを叩き出したものの、エクストリームでは本当に良いラップを1周だけ引き出せたという状態で、それはQ3はインターミディエイトに履き替える必要があるというサインだった。僕らは少し後に出ていって、セッション終了数秒前に最速アタックをスタートし、それで3番手を獲るには十分だった。本当に満足している。前方に戻ってこられて気分が良いよ。僕らは過去にここで素晴らしい結果を残せていないけれど、僕はこのサーキットが好きなんだ。明日は良いレースができることを期待している。ベストを尽くすよ。

21 ビタントニオ・リウッツィ(フォース・インディア) 予選15位
予選がこんな形で終わったことにがっかりしているし、悔しく思っている。エイドリアンが証明したように今日の僕らにはすごく力があって、Q3まで進出してうまくやれると確信していたのに。クルマはウエットコンディションでもよく反応してくれて、渋滞に巻き込まれてベストラップは出せなかったものの、Q1では高いパフォーマンスを見せられた。Q2のスタート時はコンディションが非常に困難で、出て行くことはリスクが高かったけれど、グリーンライトが点灯したらコースに出てベストを尽くさなければならない。もっと上位につけることもできたのにと、チームに対して申し訳なく思っている。でもクルマが水たまりにつかまった時、マシンは全くコントロールできず、何もすることができなかったんだ。それでも明日は調子よく走れると思っているし、コンディションがこのままならクルマのバランスも良いから、レースに関しては楽観的に見ているよ。

22 ジェンソン・バトン(ブラウンGP) 予選14位
クレージーな予選だった。予選14位に終わったことに、もちろんとてもがっかりしている。Q1はうまくいき、ウエットでのペースはなかなかよかったので、期待できそうだった。Q2では少しコースが乾いてきたから、少しセッティング変更をしたら、マシンバランスが変わったように感じた。最初の数周はひどいアンダーステアに見舞われ、いいタイムを出そうと全力を尽くしたけれど、マシンに速さがなかった。3周目にはリヤタイヤがだめになり始め、リヤのグリップが全くなくなり、タイムを更新できなかった。明日のレースは中団からのスタートになり、とても難しくなるだろうけど、できるだけのことをして、順位を上げるチャンスを絶対に逃さないつもりだ。

23 ルーベンス・バリチェロ(ブラウンGP) 予選1位
(予選のコンディションは)とても変わりやすかったけれど、とても満足している。すごくハッピーだよ。最高のドライブができた。他のドライバーたちより僕らは燃料が少ないかもしれないけれど、それでも、中団からスタートするよりも、ポールポジションからスタートして自分のペースで走れる方がずっといい。今の状況にはものすごく満足している。雨が激しく降った時間帯もあったのに、観客の皆がずっと残ってくれたのが本当に嬉しかった。F1で17年走っているけれど、予選の途中で二度もマシンから出たのは初めてだよ。状況の変化が激しく、準備を整えていなければならなかった。今日自分たちが成し遂げたことをとても誇りに思う。Q2で僕らはボーダーライン上にいたので、インターミディエイトで出なければならなかった。でもラッキーにもうまくやることができた。マシンがコンペティティブなことは分かっていた。まだ何も勝ち取ったわけではないので、地に足をつけていきたい。今日僕らは素晴らしい仕事ができた。最高だよ。今夜はよく眠れそうだ。でもまだ仕事は残っている。明日すべてを勝ち取らなければならない。

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