2008年シンガポールGPの不正問題によってルノーF1チームを去ったマネージングディレクターのフラビオ・ブリアトーレとエグゼクティブディレクターオブエンジニアリングのパット・シモンズは、当事者三者から法的措置をとられる可能性があると見られている。

 ルノーチームは、昨年のシンガポールGPで、フェルナンド・アロンソを有利なポジションに立たせるためにネルソン・ピケに故意にクラッシュするよう指示したという疑惑に関し、9月21日、FIA世界モータースポーツ評議会のヒアリングに召喚されている。これを前にしてルノーチームは、16日、事件に関与したと言われているブリアトーレとシモンズがチームをすでに離脱したことを明らかにすると共に、チームは最近の申し立てについて争わないことも表明している。これは罪を認めたに等しいとも受け取れる。また、ブリアトーレとシモンズの離脱は、WMSCで下される処罰を軽減してもらうことを狙ったものであるかもしれない。
 しかし最悪の場合、ルノーはF1からの追放という厳罰を下される可能性もある。FIA会長マックス・モズレーは、今回の件の証拠は、2007年のマクラーレン・メルセデスのスパイ事件の際よりも明白なものであると述べている。

 一方チームを離脱したブリアトーレとシモンズには三者から訴訟が起こされる可能性があると見られている。英デイリー・テレグラフによると、シンガポールは、ふたりの行為が自動車などを故意に危険にさらす行為など、容疑者引き渡しが適用される罪に当たる場合は、ふたりの身柄を引き渡すよう要求するかもしれないと報じている。ピケはコンクリートウォールにクラッシュしたものの、幸い自身も観客もケガをせずに済んだ。
 ルノー本社からも、企業イメージを著しく傷つけたとして訴訟を起こされる可能性がある。また、ピケがクラッシュした時点で、フェラーリのフェリペ・マッサがレースをリードしていたが、セーフティカーが出動しピットストップで大失態があったため、マッサはこのレースを13位で終えている。マッサはわずか1ポイント差でドライバーズタイトルを逃しており、この関係でフェラーリが訴えを起こす可能性もあるかもしれない。
「申し立てられている不正行為とマッサおよび彼のチームの財政的損失との間には明らかな因果関係が存在する」とスポーツ弁護士のスティーブン・ボーンズビーは言う。
「ルノーもブリアトーレを訴える可能性はあるが、それによる成果は少ないとみられるため、ルノーはこの件を推し進めたいとは思わないだろう」

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