2009年F1第12戦ベルギーGPの決勝が終了し、表彰台に上った3人のドライバー、キミ・ライコネン、ジャンカルロ・フィジケラ、セバスチャン・ベッテルをはじめ、各ドライバーたちが、それぞれのレースについて語った。

2009年F1第12戦ベルギーGP日曜日ドライバーズコメント

1 ルイス・ハミルトン(マクラーレン) 決勝リタイア
時には物事がうまくいかず悪い状況になることがあるが、今日はそんな1日だった。スタートを失敗し、アンチストールが作動した。リカバーしていこうとしていたら、1コーナーで他のマシンに挟まれて、フロントウイングの一部を失った。ターン5でロメイン・グロージャンがジェンソンをスピンさせ、皆が彼らを避けようとしていた。僕もスピードを落としてダメージを避けようとしていたんだが、後ろのドライバーのひとりにコースから押し出された。彼もこのアクシデントを避けようとしていたんだ。残念な1日だったけれど、また来年ここで勝ちを狙うよ。

2 ヘイキ・コバライネン(マクラーレン) 決勝6位
いいレースだった。ここでの僕らの全体的なペースは前の2戦ほどよくはなかったけれど、戦略は完璧にいき、僕より前にピットインした大勢のドライバーたちより前に出ることができた。頑張ってくれたウォーキング、ブリックスワース、シュトゥットガルトの皆に心から感謝したい。今日は、強力で信頼性のあるマシン、素晴らしい戦略、最高のエンジン、一流のKERSのおかげで6位を獲得することができた。これらすべてがグリッドから9つ順位を上げるのに役立ってくれた。ミディアムダウンフォース・コースで完璧な競争力を身につけるためにまだやらなきゃならない仕事は残っている。しかしモンツァはかなりのローダウンフォース・サーキットであり僕らはあそこを例年得意としているので、また違った展開になるはずだ。最後に、キミは本当によかったね。彼は素晴らしいレースをした。彼はタフガイだから、トップかそのあたりを狙えると思っていたよ。

3 ルカ・バドエル(フェラーリ) 決勝14位
今日はベストを尽くした。残念ながら、スタート後の1コーナーでフロントタイヤにフラットスポットができてしまい、ファーストスティントの間中ひどいバイブレーションに悩まされた。タイヤを換えるとよくなったけれど、ハード側のコンパウンドのパフォーマンスはソフト側ほどよくなかった。今回もパフォーマンスレベルを上げることができたので、モンツァでもレースがしたい。あそこはフィオラノやムジェロと並んで、僕が最もよく知っているサーキットのひとつだからね。キミとチームは本当によかった。素晴らしい勝利であり、これはシーズンのこの時期に僕らが必要としていたものだ。

4 キミ・ライコネン(フェラーリ) 決勝1位
チームにとっても僕にとっても素晴らしい勝利だ。表彰台のどこの位置でもシャンパンの味は同じだけれど、勝ったときは気分が全く違うね。このサーキットにはドライバーが望むものがすべて備わっており、ここをドライブすると喜びを感じる。でも、僕がなぜここで4回も勝っているのかを説明できる特別な秘密などない。僕らは少なくとも1勝はしたいと思っていたが、それを成し遂げることができた。僕らのマシンは他のマシンと比較してベストのものではなかったけれど、すべてをうまくまとめあげることができた。チームが必死に努力し、それによってこの結果を手に入れることができたんだ。スタートの滑り出しはよかったが、ルーベンスが目の前でスタックしており、彼を避けなければならなかった。その後、1コーナーとストレートの終わりで、2位に上がることができた。セーフティカー先導中は、タイヤとブレーキの温度を保ち、リスタートでフィジケラに仕掛けることを主に考えていた。そうして彼をかなり楽にパスすることができた。最初のピットストップでは引き続きソフト側のタイヤを履く方がよかったのかもしれないけれど、後から言うのは簡単だよね。最終スティントではジャンカルロのアタックを退けることはできないかもしれないと思い、スタブローのストレートでポジションを守るためKERSの使い方を少し変えた。それでなんとかトップの座を維持できた。僕らのマシンは縁石を使うのがあまり得意ではないのでモンツァは厳しいだろうが、頑張ってベストを尽くす。

5 ロバート・クビカ(BMWザウバー) 決勝4位
いいスタートをきめることができ、1コーナーを抜けた時には2番手に上がっていた。オールージュを抜ける時、キミが並びかけてきてびっくりしたよ。5コーナーへのアプローチで彼はすごくブレーキを遅らせてコースアウトした。あそこはすごくトリッキーな場所だ。彼は僕のすぐ前でコースに戻ってきた。週末の間、あそこではたくさんの事故があったから、僕は安全にいった。僕らは軽く接触したけれど、レースを続けることができた。時々スピードが少し不足したが、また表彰台を争えるようになってもちろん嬉しい。この結果によってチームに大量のポイントが入ることになってよかったよ。残念ながらこれ以上の結果を出すチャンスはなかった。今日の結果から、僕らはローダウンフォースでかなりコンペティティブだということが証明されたし、それはモンツァに向けてポジティブな兆候だ。でも、昨日の予選の方がマシンは競争力もあり、感触もよかったので、その理由を分析する必要がある。

6 ニック・ハイドフェルド(BMWザウバー) 決勝5位
チームにとってはいい結果だったけれど、僕自身はがっかりしていると認めざるをえない。3番グリッドスタートだったので、もっと高い期待を抱いていた。でも僕は1周目でレースを失った。レース前、スタートでハード側のタイヤを履こうかソフト側のタイヤを履こうか迷った。ハード側の方が速いが、当然素早くウォームアップするかどうかという点では優れていない。太陽が照っていたのでハード側のコンパウンドでいくことにし、結局その代償を払う羽目になった。スタート後、ラ・スルスのイン側でヤルノよりブレーキを遅らせて前に出ようとしたが、タイヤが十分に温まってなかったためにポジションを失った。ターン5につながる上りで僕を含めた数台のマシンがグラベルにはみ出し、そこで僕はさらにポジションを落とした。その後、最初のピットストップで、ピットレーンでマークとのクラッシュを避けるためにブレーキを踏まなければならなかった。でもその後コース上ですぐに彼を抜くことができた。最後のスティントでのペースはとてもよくて、ロバートとの差を縮めた。でも僕の方が速くても抜けなかった。他のマシンの後ろに2秒以内に近づくとすぐに汚れた空気の中でダウンフォースを失い、スライドし始めてしまうんだ。

7 フェルナンド・アロンソ(ルノー) 決勝リタイア
今日は表彰台に上るチャンスを失った。いいスタートをして、いくつかポジションを上げたし、戦略もうまくいきそうだった。マシンは予想していたより好調で、ピットストップの際には3位を走っていた。でも左フロントタイヤに何か問題があるのが判明し、チームにリタイアするよう言われた。現時点では、レース序盤の1コーナーでダメージを負ったものと考えている。いずれにしても2週間後にはモンツァがひかえているので、今日の残念な結果の埋め合わせをするのを楽しみにしている。

8 ロメイン・グロージャン(ルノー) 決勝リタイア
とてもいいスタートをきめて、13番手まで上がり、いいペースを保って走っていたんだ。そしたらターン5でバトンにコースから押し出され、僕のレースは終わってしまった。このレースは絶対に完走してこの特別なコースでマシンについての理解度を深めたいと思っていたのに残念だ。モンツァではもっとうまくやれるといいな。

9 ヤルノ・トゥルーリ(トヨタ) 決勝リタイア
どれほど決勝にがっかりしているか言い表せない。予選後、僕たちの調子はとても良かったので、今日は素晴らしい結果を収められると心から期待していた。しかし、第1コーナーで、僕はハイドフェルドのすぐ後ろを走ってたが、コーナーの出口で彼は僕が思っていたほど速く進んでいかなかった。彼が問題を抱えていたかどうか分からないが、わずかに彼に接触して、フロントウイングを壊してしまった。クルマが大きく振動していたので、ピットに入るしか選択肢がなかった。その後、僕にできることは何もなく、結局、ブレーキがすり切れる問題が見つかり、走行をやめる方が安全だという判断になった。

10 ティモ・グロック(トヨタ) 決勝10位
力強いスタートを決め、セーフティーカーが導入された時には、4番手で走行していたので、ポイント獲得のチャンスが大いにあった。しかし、1回目のピットストップで、燃料リグに問題が起き、時間をロスし、ポジションを下げた。ピットクルーは予備の燃料リグへの交換を非常に素早くしてくれたが、それでもやはり時間はロスした。明らかに、燃料リグに問題があり、何が起きたのか分析して、今後同じようなトラブルを防がなければならない。僕はベストを尽くしたし、クルマはとても速かった。ただ、結果に繋がらなかった。

11 ハイミ・アルグエルスアリ(トロロッソ) 決勝リタイア
僕のレースはあっという間に終わってしまった。レースではこういうこともあるので受け入れるしかない。スタートはあまり悪くなく、マシンも好調そうだった。ターン2でジェンソンがスピンし、ハミルトンが彼を避けるために左に動いた。そこに僕がいたんだ。僕らは接触し、僕のマシンはひどいダメージを負ってレースを続けられなくなった。今後のレースではもっとうまくやれればと思う。

12 セバスチャン・ブエミ(トロロッソ) 決勝12位
安定したレースをし、ミスをせず、マシンのすべてが好調だった。僕の方が速かったのにコバライエンを抜けなくて残念だ。少なくともやってはみたんだけどね。1回ストップの戦略の方がうまくいったかもしれない。1周目のアクシデントには巻き込まれなかったけれど、少しデブリを拾ってしまい、数周の間フロントウイングが調子が悪い感じがして、縁石に乗ってデブリを振り落とそうとしていたら、そのうちよくなった。全体的にいいレースができたと思うし、ローダウンフォース仕様で走るモンツァでもまたうまくやれることを願っている。

14 マーク・ウエーバー(レッドブル・レーシング) 決勝9位
1周目はうまくいって、今日大量のポイントを獲るための基礎をしっかりと築き上げた。でも、最初のピットストップで、ニックの前にリリースされてしまい、ドライブスルーペナルティを受けた。その後はダメージを最小限にとどめることを目標として走ることになった。ポイント圏内に戻ろうと努力し、前があいている状態では、そういうときはあまりなかったけれど、いいペースで走れた。でもそれでは十分じゃなかった。全くポイントが獲れないなんて本当にがっかりだ。入賞に値するドライブができたと思ったが、ドライブスルーによって台なしになった。でも、誰もそんな言い訳には関心はないだろう。そういうものだし、さっさと次のレースに気持ちを切り替えよう。

15 セバスチャン・ベッテル(レッドブル・レーシング) 決勝3位
ランキング表を考えると、今日はいい結果を出せたと言える。グリッド中団からスタートするのは楽ではなかったけれど、スタートはうまくいった。1周目の半ば、ニックがコースアウトしたり、たくさんのマシンがスピンしてコース上に戻ってきたりするのを見たので、慎重にいきすぎたかもしれない。ニコに抜かれてしまい、リスタートで抜き返さなければならなくなった。ファーストスティントではトップ集団から大幅に遅れてしまったが、セカンド&サードスティントではマシンの調子は最高だった。僕は一切ミスをせず、毎周予選のようにプッシュし続けた。マシンを走らせていて、前のドライバーたちより速かったので嬉しかった。今日はブラウンチームとのポイント差を縮めることができたから、チームのためによかったし、ドライバーズ選手権でジェンソンとルーベンスより多くのポイントを獲ることができたのもよかった。チームに心から感謝する。そしてルノーの働きも本当に素晴らしかった。この2戦の経験を考えると、また完走できて嬉しい。僕らは調子を取り戻したことを証明できた。

16 ニコ・ロズベルグ(ウイリアムズ) 決勝8位
今日はこれが精いっぱいだったので、この結果にはそれほどがっかりしていない。金曜にはマシンはまったくだめだったが、それを改善し、そこそこの予選ができた。その結果を元に、レースでいいスタートをして今回も8位で入賞することができた。週末が始まった時に期待していたよりいい結果だよ。今日マシンはドライブしづらかったが、それはタイヤとかなり関係があった。太陽が出ているときにはタイヤはうまく機能した。特にファイナルスティントでのソフトタイヤはよかった。その状況では比較的プッシュすることができたよ。

17 中嶋一貴(ウイリアムズ) 決勝13位
今回の週末は常にペースのなさに悩まされ、特に予選は厳しかった。それによって当然レースでの可能性にも影響が出た。結局、レースは土曜よりはうまくいったが、今はもちろん僕らの気持ちは、2週間後のイタリアで確実にもっといい結果を出すために何ができるかということに集中している。

20 エイドリアン・スーティル(フォース・インディア) 決勝11位
チーム、特にジャンカルロにとって素晴らしい週末になった。彼は今日すごくいいレースをして2位に入った。これはチーム全員にとって素晴らしい成果だ。僕らは明らかに大きく前進している。今日は何でも可能だったと思う。次のレースを楽しみにしていいと思うよ。僕としては、少し残念なレースだった。1コーナーで誰かが僕に突っ込んできて、その時点で僕のレースは終わってしまった。アロンソだと思うけど、彼が僕のリヤにまっすぐ突っ込んできて、そのせいで僕はスピンさせられ、フロントウイングが壊れた。マシンにはスピードがあっただけに残念だった。そこからまたレースをしようとトライしたけど、悔しい結果になった。マシンには今も満足しているし、チームは2位を獲得できていい状況だ。モンツァでは僕が同じような結果を出したいな。

21 ジャンカルロ・フィジケラ(フォース・インディア) 決勝2位
今日もまた素晴らしい1日になった。信じられないような結果が出せたよ。スパに来る前に「8位でフィニッシュできたら嬉しいか」と聞かれていたら、チームの全員が「それは最高の結果だ」と答えていただろう。なのに2位に入れるなんて、夢みたいだ。最高としか言いようがないよ。正直言って、僕らは優勝することができたと思っているので、僕としては少しがっかりしているんだ。セーフティカーは僕にとってはちょっとついていなかった。リスタートでキミにKERSで抜かれてしまったんだ。彼の後ろを走っている時、僕の方が速かったけれど、KERSのせいでロングストレートで追いつけず、抜くことができなかった。でも、この素晴らしい結果の価値が下がるわけじゃない。サーキットとファクトリーの皆でこの結果を手に入れたんだ。昨日のセッションを終えて、僕は入賞できるという自信を強く持っていた。選手権においても今後のレースにおいてもポジティブな結果だった。皆に心から感謝している。

22 ジェンソン・バトン(ブラウンGP) 決勝リタイア
とてもいいスタートを決めて、最初のいくつかのコーナーでポジションを少し上げ、ルイスとルーベンスの前に出た。オー・ルージュの後のターン5へのストレートでいい走りをし、ヘイキのアウト側でコーナーに進入した。でもロメインがブレーキングを遅らせすぎて僕の後輪にヒットしたんだ。それが今日の僕のレースだった。いくつかポジションを上げてそこそこの位置にいて、燃料もたっぷり積んでいたのに悔しい。でも、ここではあまりコンペティティブではなかったので、初めてのリタイアがトップを走っているときに起こるよりはここでよかった。僕らは次のレースでは復活すると決意を固めている。あそこは僕らのマシンにとても合っているはずなので、もっと競争力を発揮できるはずだよ。

23 ルーベンス・バリチェロ(ブラウンGP) 決勝7位
7位には満足しているよ。これほどいろいろなことがあったレースで2ポイントが獲れたんだからね。今日はもっとずっといい結果を出せたはずだったけれど、スタートでクラッチに問題が発生して、表彰台のチャンスが消えてしまった。僕にとってもチームにとっても残念なことだ。1周目の終わりに戦略を変更し、ファーストスティントを長くとるために燃料を積むことにした。これはいい動きで、これによって入賞するチャンスができた。その後のレースは楽しめたし、ブランシモンのコーナーでのマーク・ウエーバーへのアクションは間違いなくハイライトのひとつだったよ。オイルリークがあり、何周か心配しながら走ることになったけれど、なんとかペースを保ち、マシンをフィニッシュまで持っていくことができてとても安心した。

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