マクラーレン・テクノロジー・グループのCEO、ロン・デニスは、マクラーレンチームが消滅に向かうことなく、メルセデスやフェラーリと戦えるようになるためのプランを実行していると明かした。詳しくは話していないものの、デニスは主に中国の投資家たちと交渉を行っているものとみられる。
2015年、マクラーレン・ホンダはコンストラクターズ選手権9位と、チーム史上最悪の成績に終わった。近年スポンサーの離脱が相次いでおり、F1の成績に基づく分配金も減るため、チームの財政状況は悪化する方向にある。
デニスは、ここ数カ月にわたり、新たな投資を引き出すための交渉を行っており、交渉相手は主に中国の投資家であると考えられている。
現在、マクラーレン・グループの事業は、ロードカー、医療、金融、リサーチ、分析など多岐にわたっており、F1部門は全体の3分の1強にとどまっている。
グループの株式は、デニスが25パーセント、マンスール・オジェが25パーセント、バーレーンの政府系ファンド、マムタラカトが50パーセントという配分で所有している。
現在の株式保有の状況について聞かれたデニスは次のように答えた。
「マクラーレンの歴史の中で、株式の所有に関しては常に動きがあった。それは特に異常なことではない」
「我々株主の目標は常に(企業の)成長について考えることである」
「今は、ライバルたちと同レベルのリソースを持つ組織にするため、いかにして規模を拡大し、力を増すことができるか、その取り組みを行っているところだ。メルセデスやフェラーリと戦うのは簡単なことではない」
マクラーレンチームをトップの位置に戻すためには、通常とは多少異なるアプローチで成長を目指す必要があるとデニスは言う。
「(F1の)ビジネスモデルは長期的に見ると魅力的なものとはいえない。1966年以来、110のF1チームが生まれては去っていった。その中のひとつになりたくない」
「それを避けるにはF1チームを支える基礎をより幅広いものにしなければならない。チームはビジネスの重要な要素なのだ」
「うまくいっていないときには悪い影響が出てくる。でもそれも我々のブランド、我々のビジネスの一部だ」
「民間企業が成長するにはふたつの方法がある。金を持ち出し、利益を得て、それを将来のために投資するという方法。それよりもっと早く結果を出したい場合は、全く異なるアプローチを見出さなければならない。少なくともこの4カ月、そのことに私の心は向いていた。主にそれが理由でグランプリにあまり姿を見せなかったのだ」
「物事が複雑であれば時間がかかるものだ。しかし目標を達成するとき、目標を達成できるなら、マクラーレンは大きな前進を遂げることになるだろう。その時になったら詳しくお話ししよう」