メキシコGPは標高2200mと19戦中で最も高地に位置するアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスで行われた。空気の密度が薄くなれば、空気を利用して作り出すダウンフォース量も少なくなる。あるチームのエンジニアによれば、「メキシコではエアロダイナミクスのパッケージをマックスのダウンフォースレベルにしても、最もダウンフォースが少ないイタリアGPのモンツァと同じレベルにしかならない」という。
空気の密度が薄いと空気抵抗も減るため、多くのチームがダウンフォースを増やすためのアイテムを積極的に投入していた。その代表が、エキゾーストパイプ上部に設置されたモンキーウイングだ。メルセデス、ウイリアムズ、フェラーリ(写真1枚目)、フォース・インディア、トロロッソ、ザウバーが採用。装着していなかったのはレッドブル、マクラーレン、マノー・マルシャだけだった。
モンキーウイングはリヤのクラッシャブルストラクチャー上に支柱を立てて設置するのが一般的だったが、最近はリヤウイングのセンターピラーから出た水平のピラーに装着するケースが目立っている。空気抵抗を減らすことが目的と思われるが、最近ではトロロッソ(写真2枚目)やフォース・インディア(写真3枚目)のようにモンキーウイングの翼端板を下方へ伸ばし、さらにエキゾーストパイプから出てくる排気を包み込むように内側へ湾曲させている処理が登場している。