オーバーテイクを促進するDRS(ドラッグ・リダクション・システム)は、モナコのトンネルとスパ・フランコルシャンの名物コーナー、オー・ルージュでは完全に使用が禁止される見込みだ。
GPDA会長のルーベンス・バリチェロをはじめとする多くのドライバーが反対しているにもかかわらず、FIAは今週末のモナコで、緩やかにカーブしたホームストレートでのウイング使用を押し進めている。
「ミハエル・シューマッハー以外はモナコが危険だと感じている」とバリチェロがAuto Motor und Sportに語ったと、F1SAが伝えている。
「おそらくミハエルは、自分に技術的なアドバンテージがあると考えているんだろう」
だが、実際はマクラーレンのルイス・ハミルトンもガードレールが立ち並ぶ有名なコースでDRSを使用することを楽しみにしているという。
「使いたくなければ、そうすればいい」とハミルトンはコメントしている。
FIAのチャーリー・ホワイティングも、モナコでDRSの使用を許可することに何ら疑いを持っておらず、「最も役に立つかもしれないサーキットでオーバーテイクのサポートを禁止するのは間違っている」とバルセロナで語っている。
しかしながら、モナコの海沿いにあるトンネルでは安全を考慮してDRSの使用が全面的に禁止される見込みであり、スパのオー・ルージュも同様の措置がとられるようだ。
今のところ、モナコのDRSゾーンはフィニッシュラインをまたぐストレートに設定されるとみられているが、セバスチャン・ベッテルは追い越すための「十分なスペースがない」とコメント。ハミルトンは、「オーバーテイクは見られるだろうが、多くはないだろう」との意見を述べている。
FIAはそうした一方で、カナダとバレンシアにおいて2カ所のDRSゾーン設置を計画している。