カナダグランプリ プレビュー:
モントリオール 2014年6月6-8日

P Zeroイエロー・ソフトとP Zeroレッド・スーパーソフトがカナダに登場
常設サーキットのスピードと市街地サーキットのグリップが特徴のモントリオール
ブレーキングと縁石がタイヤに負荷を課す

2014年6月3日、ミラノ
モナコ同様、ピレリのP Zeroイエロー・ソフトとP Zeroレッド・スーパーソフトタイヤがジル・ヴィルヌーヴ・サーキットに登場します。このサーキットは、常設サーキットのセクションと公園内の公道を組み合わせた半常設サーキットです。しかし、モントリオールはモナコとは大きく異なり、平均スピードが速く、変わりやすい天候や経験豊富なドライバーでさえもミスを犯しやすいグリップレベルの低い路面が特徴的です。過去には、多くのドライバーが有名な“wall of champions”に接触しています。モントリオールにおけるもうひとつの重要な要素はブレーキングであり、ブレーキによる熱がタイヤ温度を上昇させます(しかし、新しく導入されたブレーキ・バイ・ワイヤシステムによって、今年のブレーキの動作は昨年までと異なっています)。さらに、モントリオールには悪名高い縁石が存在し、タイヤは、マシンのサスペンションの一部として衝撃を吸収しなければなりません。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター
ポール・ヘンベリーのコメント:
「カナダはモナコよりも非常に高速になるため、タイヤは、より大きな負荷とともに酷使されることになります。モントリオールで不可欠な最大限のメカニカルグリップを導き出す必要があります。路面の改善は大きく、特に今年のダウンフォースは減少しているので、スライドが多発することもタイヤへの負荷を明らかに増大させます。しかし、レンジ中で最も軟らかい組み合わせのタイヤでも、今週の摩耗とデグラデーションは抑制されると思います。カナダは、セーフティーカー導入率が高いこともあり、戦略が差を生じさせる常に予測不可能なレースになる傾向があります。モナコでも見られたように、臨機応変な戦略を採ることが、カナダのような一般的でないサーキットで成功を収めるためには必要要素となります。歴史的に雨の確率も高いため(時にはドライセッション後にデータが無い状態であることも)、クロスオーバーポイントを判断することが極めて重要になります」

タイヤから見たサーキット:
トラクションとブレーキングが、モントリオールでタイヤに影響を及ぼす2つの主な要素です。トルクが増大し、ダウンフォースが減少している2014年型マシンは、このトラックをより難しいものにしています。最も大きなリスクであるホイールスピンは、トレッド表面をオーバーヒートさせます。レイトブレーキングは、ホイールがロックした場合にフラットスポットを生成する可能性があります。しかし、2014年型タイヤは、フラットスポットが生成されにくいように設計されています。

モントリオールでは、ストレートで300km/hを超えるトップスピードを最大限にするために、マシンはローダウンフォースのセットアップで走行する傾向にあります。そのトレードオフとして、コーナーでの空力グリップが減少するため、マシンはスライドしやすくなり、タイヤコンパウンドによるメカニカルグリップに依存することになります。

スーパーソフトタイヤは作動温度領域が低く、低温下でも最適な性能を発揮できるコンパウンドです。ソフトタイヤは、作動温度領域が高く、高温のコンディションや厳しい路面状態に適したコンパウンドです。カナダの天候は変わりやすく、レースが中断になることもしばしばです。ピレリがFormula Oneに復帰した2011年のカナダグランプリは、度重なる中断によってFormula One史上最長のレースとなりました。

カナダでのタイヤにとって最も大きな課題のひとつは、アスファルトに非常に大きなばらつきがあるという事実であり、不均等なグリップレベルを提供する多様な路面によって構成されていることです。タイヤコンパウンドは、このような多様性を取り払い、可能な限り一貫したグリップレベルを提供する役割を担います。

昨年は、ポールポジションからスタートしたレッドブルのセバスチャン・ベッテルが優勝しました。ベッテルは、ウェットでの予選でインターミディエイトタイヤを使用し、決勝では、スーパーソフト–ミディアム–ミディアムと繋いだ2ストップ戦略で優勝しました。今年、ミディアムではなくソフトをスーパーソフトとともに選択していますが、2014年型の全コンパウンドは、昨年型よりもわずかに硬めになっています。

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