ブランパンGTシリーズをプロモートするSROモータースポーツグループのステファン・ラテル代表は、スパ24時間が開催されていたベルギーで、昨年12月にFIA国際自動車連盟が提案したGT3カーによるワールドカップについての提案を行った。

 SROはヨーロッパで開催されているブランパン耐久シリーズ、スプリントのブランパン・スプリントシリーズ、イギリスGTなど、FIA-GT3規定車両によるレースをプロモート。もともとGT3カーの概念はSROが作り上げたもので、その後GT3カーは世界中のレースで活用されている。

 そんな中、FIAは昨年12月に、ブランパン・スプリントの前身であるFIA-GTシリーズの終了に関する代替案として、GT3カーで争われる国際シリーズから上位のドライバー、チームを集め、年に1回の『ワールドカップ』を開催する意向があると明らかにした。

 このワールドカップについては、これまでどのプロモーターもアイデアを示してこなかったため、ラテルは自身のアイデアについて、スパ24時間の場で語った。

「GT3の国際的な色合いを出すために、特定のシリーズから上位のクルマを選出するだけではなく、なるべく多くのブランドをグリッドに揃え、同じ国籍のふたりのドライバーが組むべきだと思う。我々のシリーズにブラジルチームのBMWやフランスチームのマクラーレンが走っているようにね」とラテル。

 また、ラテルは現在のアイデアとしてGT3のスピリットを体現するために、プロドライバーによるコンビもいれば、プロとアマの組み合わせ、アマチュアドライバー同士のコンビのチームも存在するべきだとしている。ラテルが運営するブランパン耐久でも、同様のクラス分けが行われている。

 具体的な開催スケジュールについては、12月から2月の間でスプリントフォーマットの1時間レースを2回と提案。また、現在具体的な初開催時期については、2015-16シーズンになるだろうと語った。ただし、ラテルとSROは現在まだ正式にGT3ワールドカップをプロモートすることを決定しておらず、ラテルはFIAに対し開催コースとプロモーターを入札するべきだと提案している。

 このGT3ワールドカップについて、スパ24時間でも優勝を飾ったブランパン耐久のトップチームのひとつ、ベルジャン・アウディクラブ・チームWRT代表のヴァンサン・ボッセは「ぜひとも参加したいところだが、最大の問題はどのタイヤを履くかだ」と語っている。

「もしピレリを履くとなれば、誰もがブランパン耐久に参戦しているチームにアドバンテージがあると言うだろう。ではヨコハマを履いたら、誰もがADAC GTマスターズの参戦チームが有利と言うはずだ」

「ベストなアイデアは、誰もふだん使っていないタイヤを使うことだろう。そうすればいいレースになるはずだ」

 現在世界の主要GT3レースでは、ブランパンGTはピレリ、イギリスGTはエイボン、ドイツのADAC GTマスターではヨコハマが使用されており、アジアではGTアジアがヨコハマを履き、日本のスーパーGTはマルチメイク。GT300に参加するメーカーなら、このワールドカップ用タイヤを製作するポテンシャルはあるはずだ。

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