レッドブル社のボス、ディートリッヒ・マテシッツ自身は否定しているものの、彼はスクーデリア・トロロッソの売却を望んでいると推測されている。現在その販売価格は、昨年の半額にまで下げられているとのうわさも出ている。
イタリアの422race.comによると、F1関係者の間ではレッドブルがトロロッソを売却したがっているのは確実だと見られているという。ただしマテシッツのスポークスパーソンは、「うわさは絶えないが、現在我々には売却する計画はない」とコメントしている。
レッドブルは、2005年にミナルディを買収、2006年からトロロッソとしてF1に参戦させている。トロロッソを走らせる目的は、レッドブル・レーシングと同じシャシーを使用し、レッドブルの若手ドライバー育成プログラムのメンバーを走らせることだった。
しかし現在のF1のレギュレーションではチームは自身でマシンのデザインおよび製造を行わなければならず、トロロッソで育ててレッドブル・レーシングに昇格させたドライバーも今のところセバスチャン・ベッテルのみという状況。レッドブル社の収益が落ち込んでいる中、トロロッソはマテシッツにとって金銭的に大きな負担を強いる存在となっており、彼は去年は6,000万ドルでチームの売却を希望していたが、今年はその半額の3,000万ドルに値下げしたと報じられている。
買い手候補としては、メキシコの富豪カルロス・スリムの名が挙がっているが、スリムの本命はザウバーであり、ザウバーにプレッシャーをかけるためにトロロッソへの関心を示しているのではとの見方もなされている。2011年の13番目のチームのエントリー枠を得られなかったジャック・ビルヌーブ/デュランゴも候補に含まれている。