モナコGP後の5月27日、ケータハムから1枚のリリースが出された。それは「ケータハムが売却される」というウワサを否定する内容のものだった。
ケータハムの売却を巡るウワサはシーズン前からあった。理由はオーナーのひとりであるトニー・フェルナンデスのF1に対する情熱が冷めてしまったからだと言われ、ケータハム同様にチーム存続が厳しい状況にあると言われるロータスと合併して2014年シーズンを戦うのではないかというウワサにまで広がったものである。
さらに1月下旬にドライバーズラインアップとともに新車を発表した際、フェルナンデスが「今年ダメだったら、撤退する覚悟でやってほしい」と語ったことで、ウワサが再び加速。モナコGP期間中には「すでに売却することで合意された」という話がまことしやかにささやかれたものである。ケータハムがモナコGP後にリリースを出した背景には、そんな事情があった。
カナダGPが開催されているサーキット・ジル・ビルヌーブで、金曜フリー走行後に可夢偉にこの件を尋ねると、こう語ってくれた。
「僕はドライバーなので、僕にできることはコース上でいかに良い結果を出すか。つまり、速くクルマを走らせることができるかということ。そして、チームの経営状態を考えるのが彼ら(チームオーナーら)だから、そのことを僕が考えても仕方がない。だから、そういうウワサが載っている記事も読んだことないし、気にしていない。僕がやらなければならないことは、いかにクルマを速くするか。だって、チームのみんなは本当に頑張っているのを僕が一番知っている。だから、経済的に良くなった時に、すぐに結果を出せるようにすることに集中したい」
チームには、ウワサを否定するリリースを出すよりも、ウワサが出ないような成績を出せる体制を整えてほしい。